Natureの3月24日号に
親の世代から欠陥のある遺伝子を受け継いでも、
その遺伝情報を修正する場合がある、
という報告が乗ったようだ。
http://www.nature.com/news/2005/050321/full/050321-8.html
どうやら何らかの形で祖父母以前の世代の遺伝情報を保持していて
間違った遺伝情報を書き直すことが起きたらしい。
これまでも非メンデル遺伝ということでは、
エピジェネティックなゲノム・インプリンティング(刷り込み)といった話はあったが
今回のように遺伝情報をDNA配列レベルで修復するというのは初めてで、
大きな驚きだ。
これから追試とか検証とかが進むであろうから
しばらく様子を見ないと最終的な結論はわからないだろうが
これまでの常識が引っくり返ることがあり得る、
というのは科学ならではの醍醐味だと思う。
ホットワイアード・ジャパンにも日本語での紹介記事がある。
http://hotwired.goo.ne.jp/news/technology/story/20050324303.html
ただし記事中のメンデルの遺伝法則に関する
「1800年代中ごろから絶対的な真理と信じられてきた植物進化の基本的な法則」
(原文:"some basic rules of plant evolution that were believed to be absolute since the mid-1800s")
という記述は正確ではなく問題がある。
メンデルの法則は1866年に発表(口頭発表は前年)
1900年にド・フリース、コレンス、チェルマクの3人によって、
再発見されるまでは無視され埋もれていた訳であるし、
「遺伝の法則」であって「進化の法則」ではないのだから。