地獄のハイウェイ

科学・技術や趣味のことなど自由気ままに書き散らしています。

2008-01-01から1年間の記事一覧

嫉妬と連帯感

pollyannaさんの「理系兼業主婦日記」の 「「勉強ができる」という蔑称」というエントリー http://d.hatena.ne.jp/pollyanna/20081224/p1 が話題を呼んでいるようだ。 自分が子供の頃に見たTV人形劇「ひょっこりひょうたん島」では、 ハカセというキャラクタ…

派遣会社の責任は?

連日のように派遣切りのニュースがあり本当に心が痛むが、 派遣元である派遣会社の責任を問う声はあまり聞こえてこない。 契約期間途中での派遣先による契約打ち切りの場合は、 登録型派遣であっても派遣会社には賃金を支払う義務があるのではないか? 派遣…

ダグラス・プラッシャー

今朝の読売新聞のノーベル賞特集に ダグラス・プラッシャー(Douglas Prasher)に関する記事が出ていた。 GFPの遺伝子を同定し配列を決めた研究者だったが、 科学者としての職を失い、現在は時給10ドルで トヨタ系の自動車販売会社の送迎(送迎バス?)運転員…

科学を信用しても信仰するな

lets_skepticさんの 「科学を信仰してもいいよ。それが本当の科学ならね。」 http://d.hatena.ne.jp/lets_skeptic/20081208/p1 という記事を読んだが、 普通の人に「科学を信用しろ」と言っても良いと思うが、 「信仰しても良い」というのはちょっと違和感が…

K-1の黄昏

昨夜はTV(地上波)でK-1を見た。 そもそも、昨年の王者であり一回戦で微妙な判定負けのシュルトが リザーブ戦にさえ出場しないという、 競技スポーツとしては大きな問題点を抱えての決勝トーナメントだったが、 準決勝までは好試合が多くて楽しめた。 特に…

柔道家がプロの格闘家になる前にできるかもしれないこと

「石井慧:通用するのか?<3> 吉田秀彦が斬る」 http://mainichi.jp/enta/sports/general/news/20081126mog00m050020000c.html という吉田秀彦の毎日新聞のインタビューでの 「柔道と総合格闘技も選手が行き来できる仕組みができることが望ましいと思う。…

パラダイムとはお手本のことである

パラダイムというとT.S.クーンのパラダイム概念が有名だが、 本来は「凡例」とか「模範」のことで、 そこから派生した用法としては品詞の語形変化表といったものもある。 例えばB.ラッセルの「記述の理論」は かつて「哲学的分析のパラダイム」とも呼ばれた…

反証主義にさよならと言おう

科学と疑似科学の話題でがっかりするのは、 境界設定問題というポパー的フレームワークで 相変わらず反証主義が持ち出されて、 その上更にクーンのパラダイム論までが、 ポパー的フレームワークで、 反証主義への批判のように論じられてしまうことだ。 精神…

ポスドクの募集が埋まらないこともある

何かとポスドクの行き場がないという話が多いが 一方でポスドクの募集を掛けても中々埋まらないという話もある。 特定の知識や経験を要求しているため応募者がいても採用に至らないとか、 そういう話がないわけではない。 もちろん分野や組織にもよるので、 …

市民の科学へのアクセスのために

サイエンス・コミュニケーションでは 専門家集団と一般市民の間の相互交流を目指していると思うが、 市民側から科学的知識にアクセスしようと考えるなら いつ開催されるか分からないサイエンス・カフェを待つだけでなく 自分からアクションを起こせる自由が…

ブラック・アイス快進撃!

"Black Ice"が何と全英全米ともに1位の快挙、 全英では傑作"Back in Black"以来、 全米では"For Those About To Rock"以来で しかも全英と全米の両方でNo.1になったのはAC/DCのアルバム史上初! 日本でもオリコンのアルバム週間ランキング3位(洋楽ランキン…

ブラック・アイス!

ちょっと出遅れてしまったが、本日"Black Ice"購入! 前作"Stiff Upper Lip"がやや精彩を欠いていたし 特にブライアンの声が出ているかどうか心配だったが、 心配無用!全然OK! 長い充電期間で喉の調子も良さそうだ。 トラッド色も感じるポップな"Anything G…

分子生物学会のカミングアウト

分子生物学会が阪大の杉野明雄元教授による論文捏造に関して、「論文調査ワーキンググループ報告書」なるものを公表した。 http://wwwsoc.nii.ac.jp/mbsj/admins/ethics_and_edu/doc/WG_rep_and_ikensho.pdf 論文捏造に関する報告ではあるが、本題以外で気の…

科学の中の技術

今年のノーベル化学賞はGFP(緑色蛍光タンパク質)関連だったが、 受賞者に日本国籍を持つGFPの発見者である下村脩(以下、敬称略)が 含まれていたこともあって世間的な注目が集まったようだ。 GFPはタンパク質だけで蛍光を発し補酵素等を必要としないため…

例えば法曹対象のサイエンス・カフェ?なんてどうか

サイエンス・コミュニケーションとかそういう方面で サイエンス・カフェというのがある。 その業界ではそれなりの定義もあるようだが、 要するに科学者と一般人が(多くの場合は先端の)科学の話題について、 気軽に対等に語り合う場といったところが大方の…

魔裟斗優勝おめでとう!

今日はTVでK-1 MAXを観戦した。 準決勝で魔裟斗vs,佐藤嘉洋は、 3Rに佐藤がダウンを奪うものの 魔裟斗が驚異的な盛り返しで延長に縺れ込み、 (本戦の判定は読み上げに変な間が発生してちょっとだけ疑問) 延長Rは火の出るような殴り合いで魔裟斗が僅差の判…

シュルトよ技術を芸術に高めよ!

昨日はTV(地上波)でK-1 WORLD GP 2008を見た。 お目当てはもちろん不人気王者と言われるセーム・シュルトと K-1創成期から活躍するレジェンドのピーター・アーツの一戦。 試合はアーツがカウンターを被弾しながらも飛び込んでの攻勢で判定勝ち(2-0)。 ア…

麻生総理よ解散するな!

麻生内閣の発足後は大手新聞などのマス・メディアの関心は 衆議院の解散・総選挙の時期の問題に移っているようだ。 自分自身は自民党の支持者ではないし民主党の支持者でもないが 「衆参両院のねじれの解消」が目的の解散は全く賛成できない。 なぜなら理由…

魔術的な言語観と「水からの伝言」

関東地区公立小・中学校女性校長会総会・研修会というところで 江本勝が「水からの伝言」の講演をしたという話があって物議を醸している。 ※参考ページとしてFSMさんの「『教育現場に水のメッセージを』(『Hado』9月号)」 http://ameblo.jp/fireflysquid/e…

やぶにらみ:肝臓癌の増加グラフ

今回の三笠フーズによる汚染米の転売問題は、 複数の業者で似たようなことが行われていることが明るみに出て 汚染米(農水省の呼び名では「非食用の事故米穀」)問題は ようやくメディアでの扱いも大きくなってきたようだ。 それで関心を持った人達の一部か…

ロシア人力士の大麻問題よりも汚染米問題の方が重要だろう

一部で妙な煽り報道もあるにはあるが、 三笠フーズが工業用の「事故米」を食用に転売していた問題は 大手新聞やNHKなどの取り扱いを見ると、 ロシア人力士の大麻問題と比べて圧倒的に低調だ。 いたずらに危機を煽ってニュースを売り込もうというのは良くない…

国威発揚でも産業貢献でもなく

大「脳」洋航海記のvikingさんが、 自分の「役に立たなくても面白いものを」に対して "「国民の科学」を目指しても問題は解決しない" http://www.mumumu.org/~viking/blog-wp/?p=2021 というトラックバックを送ってくださった。 訪れる人もまばらな過疎地ブ…

役に立たなくても面白いものを

基礎科学に優秀な人材が集まらないと、 日本の産業の未来がないとか国際競争力が保てないとか、そういう議論がある。 この議論には暗黙裡に、基礎研究→応用研究→開発研究という イノベーション論で言うところのリニア・モデルが前提とされている。 リニア・…

どんな分野にポスドクは多いのか

ポスドク問題を考えるときには、 分野によって状況が異なるので注意が必要だ。 それでどんな分野にポスドクが多いのか調べてみた。 文部科学省 科学技術政策研究所の 「大学・公的研究機関等におけるポストドクター等の雇用状況調査-平成17年度調査」 http:…

ポスドクは何が優秀なのか

ネットでは高学歴ワーキングプアがどうだとか 博士は役に立つだの立たないだの、といった議論があって そういうのとポスドク問題が一緒くたにされている感があるが、 関連がないとは言わないまでも、分けて考えて欲しいと思う。 自分の知っている範囲でしか…

世界フライ級Wタイトルマッチを見て

昨日はTVで、坂田vs.久高のWBA、内藤vs.清水のWBCの Wタイトルマッチを見た(帰宅時間の関係で一部録画)。 日本人同士の世界戦で世間的には無名の挑戦者ということもあって、 両王者にとってイージーな試合になるかとも予想されたが、 さにあらず、両試合と…

活動としての科学か体系としての科学か

ムペンバ効果という、温度が高い水の方が より低温の水よりも短時間で凍るという現象をめぐって ネットでいろいろと議論があったようだ。 自分自身は話題になるまでこの現象を知らなかったけれど 一部では良く知られていた現象のようだ。 http://en.wikipedi…

科学の間のコミュニケーション

科学コミュニケーションは流行っているとまで言わないが、 それなりに認知もされ普及しつつあるように思う。 多くの場合、そこで考えられているのは 科学者と一般市民との間のコミュニケーションと言って間違いないと思う。 それでちょっと思ったのが、 バイ…

次も頑張れ佐藤嘉洋!

昨日はK-1 WORLD MAX 2008をTVで見た。 今年は準々決勝が独立した一日でやることになって良かった。 何よりも良かったのは佐藤嘉洋がブアカーオに勝った試合。 今までのように同じ日に続けて準決勝では、 試合の余韻を楽しむことも出来ないし、 互いにベスト…

共感と反感と

ニセ科学とか疑似科学を受け容れてしまっている人は、 それに何らかの共感を覚えているから嵌まってしまったのだろうし、 一方でニセ科学を批判しようと人の多くは、 それに反感を覚えているからこそ、その行動を起こすのだろう。 科学に纏わる様々な問題群…