地獄のハイウェイ

科学・技術や趣味のことなど自由気ままに書き散らしています。

2011-01-01から1年間の記事一覧

井岡一翔V2!

WBC世界ミニマム級タイトルマッチは井岡一翔がV2! ボディーで相手のヨードグンがガクッときたときに行ける!と思ったら その直後に1R1分38秒で鮮やかなKO勝利!パンチ力も凄い! 下手糞な特別リングアナとか国歌独唱とかで気分が悪かったが (この手の芸能人…

おめでとう神谷さん

Scienceの選んだ2011年の科学研究における10大発見に、 光合成の謎に迫った神谷信夫さんたちの研究が選ばれたという報道があった。 Scienceの"Breakthrough of the Year, 2011"のページは http://www.sciencemag.org/site/special/btoy2011/ 以下の大阪市大…

袴田事件DNA鑑定について

袴田事件で、最初の公判開始後に事件後1年以上経って 味噌タンクの中から見つかったという衣類についていた 血痕のDNA鑑定結果が出たという報道があった。 弁護側鑑定人は「被害者のものと同一の血液はなかった」で、 検察側鑑定人は「同一であることを排除…

かまととスペシャル

今日、放送されたNHKスペシャル「シリーズ原発危機 メルトダウン」を見た。 非常用復水器がうまく使えなかったら事故が深刻化したというような話だった。 何故だかメルトダウンについては 話は1号炉のことばかりで状況が完全には同一ではないはずの 2号炉、3…

医療産業が繁栄≒医療費が高騰

昨日、内閣官房医療イノベーション推進室長の中村祐輔が辞任し 来年4月からシカゴ大学に研究拠点を移すというニュースがあった。 省庁の壁に阻まれて思うようにならなかったということのようだ。 それでネットで少し検索したところ、 サイエンスポータルでも…

早川由紀夫への訓告について

火山学者の早川由紀夫が郡大から訓告処分を受けたことについて ネットで言論の自由云々とかで議論を呼んでいるようだ。 注目を集めるために何をやっても良いというような 炎上マーケティング上等!みたいな考え方は、はっきり言って嫌いだ。 そもそも早川の…

専門家の悪意

先日、「専門家は無能だと思いたい?」という記事を書いてから、 ちょこちょこと虚偽について考えたりしていたのだが、 専門家が嘘つきであるよりも無能である方が良いと思う人達が 思いのほか沢山いるようだと思った。 専門家を無能と見なしたがるの理由に…

専門家は無能だと思いたい?

「原発関連情報の取捨選択に役立つ、糸井メソッド 」http://togetter.com/li/219545 というのを見ていたらその中で「ハンロンの剃刀」という言葉が出ていた。 「無能で充分説明される現象に悪意を見出さない」という 判断基準のことのようだ。 これはこれで…

JBCを非難する

今朝の読売新聞に日本ボクシングコミッション(JBC)が、 震災の被災地支援用にとタイソンやパッキャオらから送られたグラブなどを 放置したままだという記事が出ていた。 事務局長曰く「JBCはオークション実施の前例がないのでお返ししたい」だと。 ふざけ…

脱落者の方が多数派なのに

菊池俊郎「院生・ポスドクのための研究人生サバイバルガイド」を読んだ。 若手に向けたアカデミアで研究者として生き残るための助言ということで 内容そのものは割と常識的なもので読んで損ということはない。 しかし本書のp.20のFig.1-05という表の博士課程…

袴田事件の再審を求める市民集会

明日11月19日 「11・19 冤罪袴田事件の再審を求める市民集会」というのがある。 http://hakamada-saishin.org/hakamada-saishin.org-news/handbill20111119.pdf 自分はこの事件は冤罪だという心証を持っている。

内藤引退

元WBC世界フライ級チャンピオンの内藤大助(37歳)が引退との報道。 JBCの規定では37歳でライセンス失効という定年制なので、 内藤も引退するものと見られていた。 自分は内藤ファンというわけではないが、 4年前の戴冠の際にも記事を書いた。 katsuya-440.h…

ジョー・フレージャー逝く

モハメド・アリのライバルだったジョー・フレージャーが亡くなったそうだ。 スモーキン・ジョーと呼ばれたエネルギッシュで無骨なフレージャーは インテリ受けのするアリと比べると庶民派というイメージがあった。 あの頃のボクシング、中でもヘビー級は、 …

アカデミア周辺で生きる

先日の「漂流する博士は定着できるのか?」で書いたことの続きで少し考えた。 アカデミアからの転進組が 完全なノンアカデミックな職場で正規雇用で定着できるのかというと、 それは難しいということになる。 そうなると契約社員とか派遣社員とかいった 「非…

漂流する博士は定着できるのか?

博士のノンアカデミック・キャリアのことを考えていて、 ちょっと気になったことがある。 それは、ノンアカデミック・キャリアを選んだ博士達は、 もしもアカデミアに戻るチャンスを得たら 今働いている職場を辞めることに躊躇するのだろうかという疑問であ…

野では咲かぬか博士号

つい先日知ったのだが、 「博士漂流時代」の著者である榎木英介さんは 8月から近大医学部の講師になられたようだ。 http://researchmap.jp/enodon/ 前職の地方市民病院では研究は容易ではなかったので、 アカデミック・キャリアに戻ることを選ばれたのだろう…

統計から見た博士の優秀さ

頭の良さというのは決して単純なものではないけれど、 記憶力であるとか言語能力とか推理力といった能力が優秀な人は、 理解が早くて物覚えが良いから「頭が良い」という印象を受ける そしてそういう頭の良さが学業成績に反映することは、 多くの人の認める…

Diary of a Madman

専門家は専門外のことは素人だと思えというのは、素人は黙っているべきだということではなくて、専門家の専門外のことでの発言は素人の発言と思えということに過ぎない。ごく普通の素人がスポーツや芸術のことにあれこれ好きなことをいうように何かの専門家…

行政は住民の不安の声に反応するとは限らない

福島原発事故に対する住民の不安の声を受けて、 一部の地方自治体等では 独自の放射線量の測定などを行ったりしているようだ。 ちっとも住民の要望に応えてくれない自治体もあれば、 逆に過剰反応じゃないかと思われるような事例もあったりするが、 ここで注…

専門家だけど有識者じゃない

少し前の2005年の話になるが、 産業技術総合研究所理事長(当時)の吉川弘之が 皇室典範に関する有識者会議の座長を務めた際に、 「皇室の歴史も知らぬロボット工学者が有識者なのか?」と 多くの非難を浴びたのは覚えておいでの方も多いだろう。 もう何回も…

「科学者」は間違える:一つの実例

今年のノーベル化学賞がシェヒトマンの準結晶の発見に対してであったが、それに関連して分子生物学者の柳田充弘が間違ったことを書いているのを見つけた。柳田のブログの10月6日付けの「ノーベル化学賞について」という記事である。http://mitsuhiro.exblog.…

もう「科学者」にダマされないための5ヶ条

1)専門分野外の科学者は素人と思え これまでも何度か指摘しているが、 https://katsuya-440.hatenablog.com/entry/64832862物理学者は医学者ではないし、天文学者は生物学者ではない。 細胞生物学者は動物学者でもないし進化生物学者でもないし、 また病理学…

準結晶キターッ!

今年のノーベル化学賞は準結晶の発見者ダニエル・シェヒトマン! (構造解析でない)結晶学で次にノーベル賞があるとしたら準結晶と言われていたが遂に来た! 準結晶については次の解説が分かりやすい。 http://sato.issp.u-tokyo.ac.jp/topics-j.html#quasi…

Difficult to cure

日本学術会議の基礎医学委員会が 「生命系における博士研究員(ポスドク)並びに任期制助教及び任期制助手等の現状と問題」 http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-21-t135-1.pdf という提言をまとめたようだ。 提言というものの、35ページの本文の…

冷温って比較の問題だろうけど

原発の冷温停止って欺瞞的な言葉だと思う。 100℃未満の状態を維持できていることなんだそうだが、 要するに沸騰しない状態を維持できているってことじゃないか。 それなら草津温泉の源泉だって冷温かな? あるいは電気ポットで保温されている90℃の熱湯でも冷…

超光速ニュートリノの話題に寄せて-基本理論と近似

ミューニュートリノで超光速が観測されたとされるOPERA実験の話題は、読売新聞のような一般紙でも第一面を飾り、世間でも広く関心を持たれていることがよく判る。 2007年にも米フェルミ研のMINOS実験でも精度は劣るものの似たような報告があったそうなので、…

“God”と「神」について

先日、感想を書いた川崎謙「神と自然の科学史」もそうだが、キリスト教の“God”を「神」と訳すのは適切でないという話題がある。これに関しては、19世紀中国に来ていた宣教師の間で「上帝」という訳語候補もあり、「神」と「上帝」の間の用語論争があったとい…

ニュートリノが光速を超えた?

日欧国際共同研究OPERA実験で、 ミューニュートリノが超光速で飛んだことを確認したという 衝撃的なニュースが伝わってきた。 OPERAに参加している名古屋大学のプレスリリースも以下のサイトで見ることができる。 http://flab.phys.nagoya-u.ac.jp/2011/wp-c…

川崎謙「神と自然の科学史」感想

学術書ではないので、カルチャーセンターの講演くらいに思えば腹は立たないのであるが、帯の宣伝文句「「自然」と"nature"はどう違うか?比較科学論への招待」、に興味を惹かれて読んでみたものの杜撰な論証にがっかりした。 本書では、思考や世界観などは母…

近代西洋科学が誕生した頃

日本人が近代西洋科学の優秀性を認めたのは江戸時代の蘭学に始まると見て良いと思うが、蘭学の中で最も中心的な医学であったことは良く知られている。杉田玄白、前野良沢らがオランダの解剖学書を苦心して翻訳し、「解体新書」(1774)を出版したのは中学で…