地獄のハイウェイ

科学・技術や趣味のことなど自由気ままに書き散らしています。

RNAが主役だ

トランスクリプトーム解析なる名前で呼ばれている
DNAからの転写産物(つまり各種RNA)の網羅的な解析から
予想をはるかに超えるタンパク質に翻訳されないRNA(ncRNA)を発見した、
という理化学研究所からの発表があった。
http://www.riken.go.jp/r-world/info/release/press/2005/050902/index.html

タンパク質をコードしている遺伝子は約22,000なのに対して
ncRNAは予想をはるかに超える23,000個以上も存在しており、
しかも生体内で機能しているということが明らかにされたとのこと。

近年、RNA干渉(RNAi)などのRNAによる遺伝子発現の調節現象が
注目を集めるようになってきていたが、
今会の発表はそのようなRNAによる遺伝子発現の調節が
生命現象にとって従来考えられていた以上に
中心的な役割を果たしていることを示唆している。
因みに理研のプレスリリースでは従来のRNAiとは異なる現象としているが
研究のトレンドとしては同一方向にあるとみなして良いだろう。

RNAがDNAに蓄えられた遺伝情報を調節しながら読み取って
ツールとしてのタンパク質を作ったりしている、
といったイメージが沸いてくる。

ただ理研のキャッチコピーは
RNA新大陸の発見」というので、一寸冴えない。
どれだけ世間の注目を集められるのだろうか。