地獄のハイウェイ

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ウクライナ情勢から北方領土返還を考える

 ウクライナ東部には、親露派武装勢力による「ドネツク民共和国」だの「ルガンスク人民共和国」だのがあって、ロシアがそれらを軍事的に支援していていることはよく知られている。それでふと思ったのだが、もしもロシアが北方領土を返還しても全く安心できないのではないか。

 仮にロシアが北方領土を返還したとしても(あくまでも仮想の話)、そこに住んでいるロシア人はそのまま住み続けるであろうから、その中に純政治的な意味での親露派政治勢力が生まれてくるところまではどうしようもないだろう。そうするとロシアが工作して親露派武装勢力が生まれて、そいつらが重火器を手にしてしまうと日本の警察の手には負えない。かと言って国内の治安問題として自衛隊が出動するのも中々難しい。ウクライナではウクライナ軍が親露派武装勢力を駆逐できていないので、自衛隊で鎮圧できるかどうかだって定かではない。そうなるとそいつらが勝手に「南クリル人民共和国」とか名乗って、ロシアがそれを承認して(ウクライナではまだロシアは「ドネツク民共和国」を承認しているわけではない)、住民保護を名目に軍隊を派遣してくるなんて悪夢は誰にだって想像できてしまうだろう。そしてロシアがクリミア半島でしたように、北方領土がロシアに併合されるということが起きてしまいそうだ。プーチンのような政治家がいる限り、北方領土問題の解決は非常に難しく、そして一見のところ解決したように見えても決して安心はできないのではないだろうか。