英国では昨年12月8日からファイザーとビオンテックが開発した新型コロナウイルス感染症ワクチンの接種が大規模に始まったと報道されたが、その後に流行が抑制されたようなことはなくて、むしろ日々の新規感染者は増えているようだ。感染力の強い変異株の出現であったりとか、ワクチンの有効性が現れるまでの期間とか色々とあるのだとは思うが、ちょっと残念な事態でワクチンを流行抑制の切り札と期待していた人達は落胆しているのではないかと思う。
ワクチンを接種してから免疫が付いて効果が現れるまでにある程度の期間が必要なことは当然のことなのだが、それでちょっと思いついた疑問があるので書いておこうと思う。その疑問とは新型コロナに感染したが発症していない潜伏期間の感染者やワクチン接種後に免疫獲得以前に新たに感染した者への効果に関するものである。
この疑問の根底にあるのは、今回の新型コロナワクチンは弱毒化ワクチンでも不活性化ワクチンでもなく、mRNAワクチンだということだ。新型コロナウィルスの感染に重要なスパイク蛋白のmRNAを接種して被接種者の細胞にスパイク蛋白を生産させて、それに対する免疫をつけるという方式だそうだが、それだと潜伏期間に限らず免疫を獲得していないが感染済みの人にウイルスの部品を作らせて、ウイルスの再生産を促進したりする危険はないのだろうか?また、mRNAワクチン接種後に免疫を獲得するまでにウイルスに感染した場合には、あらかじめウイルス蛋白合成済みの宿主に感染して、ウイルスの再生産が容易になったりする可能性はないのだろうか?
新型コロナワクチンの臨床試験は、ウイルスに罹患済みの潜伏期間の感染者に対してや、免疫獲得までの期間にウイルスを接種したりといったテストは実施されているのではないようなので、自分の疑問はすぐには解決しないのかもしれないがmRNAワクチンについては、従来の不活性化ワクチンとは異なる危険性があるような気がしてちょっと心配だ。