地獄のハイウェイ

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スポーツ空手はルールを再考すべし

 つい先日、東京オリンピックの空手で男子組手75㎏超級決勝でタレグ・ハメディ(サウジアラビア)がサジャド・ガンジザデ(イラン)を蹴りでKOしてしまい、反則負けになったというニュースがあった。ネットに上がっている動画を見てみると、相手が突っ込んできたのに合わせて、ピシッと蹴りを出しただけで蹴り抜いてもいないし相手が無防備に突っ込み過ぎたのが当たった原因のように見える。のされた側がもう少し打たれ強かったらKOに至らなかった可能性もあると思う。これまでずっと言われ続けてきた「技が決まったことで反則になってしまうWKF全空連のノンコンタクト(寸止め)ルールの欠陥が如実に表れたものだが、結果としてオリンピックという舞台で生じたことでこのルールの欠陥はより広く知られるようになったと言えよう。これを良い機会としてスポーツ空手界もルールの見直しに着手すべきではないだろうか。

 オリンピック種目の打撃系競技であるアマチュアボクシングやテコンドーは当てているのだから、スポーツ空手も安全面に検討を加えてコンタクトポイント制に移行すべきではないか。全空連傘下だと錬武会は防具を使用した「当てる」ルールだが、「重い打撃」でないとポイント(錬武会は一本勝負制)にならないので、ノンコンタクトルールとの乖離が大きい。むしろアマチュアボクシングのように正確に当たればポイントにする(ライトコンタクト)ルールで、なおかつ強い蹴りに対しての安全性を確保した頭部の防具(メンホーは強打に耐えないし後頭部の保護も不十分)着用であるといった方向を目指すべきではないかと思う。あるいは、以前にも取り上げた正道会館のフルコン+とかも、今後のスポーツ空手の方向性としては考慮すべきではないかと思う。