麻生内閣の発足後は大手新聞などのマス・メディアの関心は
衆議院の解散・総選挙の時期の問題に移っているようだ。
自分自身は自民党の支持者ではないし民主党の支持者でもないが
「衆参両院のねじれの解消」が目的の解散は全く賛成できない。
なぜなら理由は単純で、
現在の与野党の枠組みが変わらない以上、
衆議院の与野党の議席数がどう変わろうと
参議院の与野党の議席数の根本的変化はあり得ないからである。
自民党だけでいわゆる絶対安定多数の269議席を大きく上回る304議席を持ち、
公明党31議席を加えれば衆議院の3分の2(320議席)以上を持った現状であれば、
参議院で野党がどんなに抵抗しようとも与党の法案を通すことが出来る。
実際この春には
道路特定財源制度を巡って衆議院の再議決で法案を通せたではないか。
確かにそれは国民の不満を高めたが、それは法案の内容に対してであって
国民が賛成する内容の法案であれば強行採決であろうが再議決であろうが、
国民の不満が大きく高まったとは考えられない。
ここで衆議院を解散・総選挙をして与党の議席が少々増えても
上記のような衆議院の優越に基づいた優位さが増すわけでもないし、
それどころか与党全体で議席を16以上減らしてしまうと
衆議院の再議決で法案を通すことも困難になる。
解散・総選挙による「衆参両院のねじれ」の軽減が、
与党側の優位を減らすことしか意味しないのは、
小学生にだって分かる理屈ではないか。
ねじれ国会の象徴のように言われた道路特定財源に関しても
福田前総理は2009年度から一般財源化すると閣議決定したが、
麻生総理がこの方針を引き継ごうというのなら、
解散・総選挙せずに現有勢力で法案成立を目指すべきではないか。
※もちろんのこと、民主党を支持する人が
政権奪取を期待して解散・総選挙を唱えることは否定はしません。