地獄のハイウェイ

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スパコン復活で十字架を背負うのか?

報道によると行政刷新会議事業仕分け
「見送りに限りなく近い縮減」判定だった京速スパコンが復活しそうである。
正直に言って京速スパコンの予算は開発予算、
つまり開発研究であって決して基礎研究ではないと思うが、
一部の学界の論調ではこれが基礎研究の代表のような扱いであるが
ちょっとおかしくはないか?
2012年完成時に10ペタフロップスを出す出さないというのは
どう考えても基礎研究ではなく技術開発の問題ではないか?

これが基礎科学に全く役立たないとは言わないが
「役に立つか立たないかわからない」基礎科学の役に立っても
直接の産業的な利益が出てくるというわけではない。
それに基礎科学のどのくらいの範囲の分野でスパコンが不可欠なのか?
ヨーロッパ勢はスパコンのハード開発競争から降りているように見えるが、
基礎科学や産業技術で致命的な遅れをとっているのだろうか?
IBMかどこかのセカンドクラスのスパコンの購入だと
致命的な影響を受ける基礎科学分野とか利用サイドの産業分野って本当にあるのだろうか?
(製造側のコンピュータ業界の一部は困るのかもしれないがNECも日立も降りている)
それが日本の科学技術立国(?)の将来にとっての死活的重要性を持つかどうかは
科学界の大半の人が疑問に思っても不思議はないはずではないか?
科学に詳しくない人達がムードで賛成したり反対したりするのは仕方ないが
日本の科学の将来のためにスパコンを優先すべきどうかは
科学者達自身が判断しなければならない問題ではないのか?

税収が大きく落ち込むと予想される中で(9兆円減という予想もある)、
スパコン復活に予算を回すために、
地味な基礎研究分野が犠牲になって壊滅的な予算削減の対象になった場合に、
ムード的なスパコン応援団の人達は十字架を背負う覚悟はあるのだろうか?