昨日の「単なる「個人」が研究できるのか?」では、
どこかに雇われた身分で「個人」として研究活動に関与できるか?
という疑問を述べた。
それでは今日は、
もし仮に雇われ先の身分からフリーになって、
単なる「個人」としての活動が認められたとして、
元々の専攻分野と異なる別の分野に挑めるかどうかを
ちょっと考えてみよう。
もちろん、分野によって敷居の高さには差があるだろうが、
勤務先が明示されない全く知らない人物が、
その分野の学術的な資源にアクセスしようとしたら、
ちょっと変わった人だと思われてしまうことが多いのではないだろうか。
下手をするとトンデモさんに近い類の人と思われる可能性だってある。
どこ組織の所属でもない身分で研究しようとしても、
最初は研究者達から中々相手にしてもらえないかもしれない。
どこの組織にも属さない新参者には、
研究者達の眼は多くの場合冷ややかだろう。
地道に学会に顔を出して質問したり懇親会に出たりしているうちに
いつかは在野の研究者として認知されていくのかもしれないが、
それには粘り強い努力が必要になる。
だが正直に言って、
生活の糧を得る仕事の余暇に
ただの「個人」として粘り強く取り組めるような
新しい研究分野を見つけられることは、
かなり稀なことではないだろうか。
特に、高価な装置や試薬などに依存する度合いの高い分野から
そういうものを必要としない分野に、
ただの「個人」として挑むのは難しいように思う。