地獄のハイウェイ

科学・技術や趣味のことなど自由気ままに書き散らしています。

アマチュアサイエンス

フリーはつらいよ

先日、とある学会の懇親会で「無所属」(学会発表でそのように書いておられた)研究者の人とちょっと話をした。論文を投稿しても中々受理されないどころか、「きちんと査読に回してもらってるか疑ってしまうようなこともある」と嘆いておられた。懇親会で話…

企業研究者には在野研究者の自由はない

今年のノーベル化学賞で旭化成名誉フェローの吉野彰さんが受賞したので、ちょっと思ったことを書く。 吉野さんは2017年から名城大学の教授を務めているので、現在はアカデミアにも籍があるわけだが、それまでは基本的にはノンアカデミックなキャリアだっだわ…

単なる「個人」は新しい分野に挑めるのか?

昨日の「単なる「個人」が研究できるのか?」では、 どこかに雇われた身分で「個人」として研究活動に関与できるか? という疑問を述べた。 それでは今日は、 もし仮に雇われ先の身分からフリーになって、 単なる「個人」としての活動が認められたとして、 …

単なる「個人」が研究できるのか?

榎木英介さんが「科学政策ニュースクリップ」の 「書評 水月昭道著 ホームレス博士 派遣村・ブラック企業化する大学院(光文社新書)」 http://d.hatena.ne.jp/scicom/20100919/p1 という記事の中で、 本書を読み進めながら思ったのは、水月さんはじめ、博士が…

天文学が人気があるのはなぜか

K_Tachibanaさんのブログ"Science and Communication"の 「何であなたは自分の研究成果を一方的に売り込もうとしているの?」 http://sciencecommunication.blog.so-net.ne.jp/2009-07-05-13 という記事とコメントを見てちょっと思ったのだが 諸科学の中で天…

市民の科学へのアクセスのために

サイエンス・コミュニケーションでは 専門家集団と一般市民の間の相互交流を目指していると思うが、 市民側から科学的知識にアクセスしようと考えるなら いつ開催されるか分からないサイエンス・カフェを待つだけでなく 自分からアクションを起こせる自由が…

天皇陛下万歳!

現在世界で最も社会的地位の高いアマチュア科学者というと 今上陛下ということになるのだろう。 ロンドン・リンネ協会でのご講演内容が宮内庁のサイトに出ていた。 原文は、http://www.kunaicho.go.jp/gaikoku/gaikoku-h19-04.pdf 和訳が、http://www.kunaic…

アマチュアに門は開かれているか

先日、学振の哲学系のポスドクの人と話をした際に 大意「ポストの獲得は大変じゃないですか」と言ったら 明るい表情でキッパリと 「なきゃないでバイトしてでも研究は続けますから!」と言われて ちょっとびっくりすると共に若さを眩しく思った。 哲学系は実…

二項対立を超えて

サイエンス・コミュニケーションといったものに それなりに期待しているものの、 自分自身は踏み込みきれない違和感のようなものを感じ続けてきたのだが、 ようやくそれが何であったかが見えてきたような気がする。 サイエンス・コミュニケーションの分野で…

科学を生きる

東大の松原隆一郎教授(社会経済学)に「武道を生きる」(2006年、NTT出版)という スポーツ社会学(?)系の著作がある。 松原教授は大道塾総本部でビジネスマンクラス師範代を務める武道家でもあり、 その実体験から、学校や企業に支えられた競技スポーツ…

アマチュア・サイエンス

昨日、金子賢のプロ格闘家を断念して俳優復帰云々を書いてから思ったのだが、 ポスドクや研究者のキャリア・チェンジにも通じる部分があるのではないだろうか。 研究者のキャリア・チェンジ云々という話題であると アカデミック・ポジションへの競争から降り…