地獄のハイウェイ

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福島第1原発事故は終結に時間が掛かるのだろうな

東日本大震災によって発生した福島第1原発の事故では、
現場や消防、自衛隊の懸命の努力が続いている。
特に3号機は爆発の後で使用済み燃料プールの水位が下がって危険なため
放水作業が続けられていると報道されている。
危険な現場で作業されている方々には本当に頭が下がるし
その尽力が実って何とか危機を脱せることを心から願わずにはいられない。

福島第1原発の3号機について少し調べてみたところ、
ちょっと気が重くなる事実に気がついた。

3号機ではプルサーマル発電が行われていて
炉心の燃料棒の融点が他より低くて云々はこれまでも報道されてきた。
しかし放水が行われているのは報道が正しければ、
リアクターではなく使用済み核燃料プールに対してである。
3号機がプルサーマル運転を始めたのは、
東電のプレスリリースでは2010年9月23日。
http://www.tepco.co.jp/cc/press/10092301-j.html
そうなると使用済み核燃料が保管用のプールに移されたのはそれ以前ということだ。
調べると3号機がプルサーマル前の運転停止は2010年6月19日。
http://www.tepco.co.jp/nu/f1-np/press_f1/2010/htmldata/bi0612-j.html
プルサーマル用のMOX燃料が装填されたのが2010年8月16日~21日。
http://www.tepco.co.jp/nu/f1-np/press_f1/2010/pdfdata/bi0812-j.pdf

燃料棒の交換のやり方は詳しく知らないが、
このMOX燃料の装填の際かそれ以前に使用済み燃料は
保管用のプールに移されたのだろう。
すると少なくとも7ヶ月ほど前から使用済み燃料プールの中にいるということになる。
そして7ヶ月経っても冷却水が失われると危険な状態になるということだ。
そうだとすればこれから数日で水なしでも安全な状態になるということはなさそうだ。

使用済み燃料プールの水位の低下が水漏れによるものだとすると
その水漏れの補修ができない限り安全な状態になるまで
延々と放水を続ければならないのではないだろうか。
まだまだ事態は予断を許さないが、
電源系統が上手く復旧して最悪の危機を逃れたとしても
終結までにはかなりの時間が掛かるという覚悟が必要なようだ。