地獄のハイウェイ

科学・技術や趣味のことなど自由気ままに書き散らしています。

科学コミュニケーション業界の垣根

榎木英介さんの「科学政策ニュースクリップ」に
「クライシスコミュニケーションとリスクコミュニケーション、そして科学コミュニケーション」
http://d.hatena.ne.jp/scicom/20110329/p1
という記事が上がっていて、
今回の福島原発の事故に関する科学コミュニケーションへの失望について意見を述べておられる。
そして科学コミュニケーター側の重要な応答として、
サイエンス・メディア・センター(http://smc-japan.sakura.ne.jp/)について触れられている。
しかしながら、
「科学コミュニティは今何をしているか」
http://d.hatena.ne.jp/scicom/20110317/p2
という記事の中で
NPOなどの動きとしては、原子力資料情報室の活動が圧倒的で、政府発表からはうかがい知れない情報を、科学的知見に基づいて発信しています。」
と言及している原子力資料情報室(http://www.cnic.jp/)は、
NPO等の括りは入れても科学コミュニケーション関係者には入れておられないようだ。
高木仁三郎が設立した原子力資料情報室は反原発の立場ではあるが、
原発問題では早くから市民とコミュニケーションを続けてきた老舗ではないか。
原子力資料情報室の活動は科学コミュニケーションの範疇に入らないのだろうか。

どうやら科学コミュニケーション業界なるものがあって、
CoSTEPとかの専門家の養成コースなどの関係者であるとか
それに関連するような(メタな)研究が業績になるアカデミアの研究者達とか
そういう人達で構成されているもののようだ。

そういう業界の中にいる人達だけが
科学コミュニケーションの実践者だとまでは言わないのかもしれないが、
サイエンス・コミュニケーターとかインタープリターとか言った人達の
暗黙の前提としてそういう垣根があるように思われる。
そんな蛸壺的なメンタリティーで市民と同じ目線で語ろうなんて虫が良過ぎじゃないのか?