地獄のハイウェイ

科学・技術や趣味のことなど自由気ままに書き散らしています。

被曝線量に関する考察(メモ)

☆ご注意下さい、本記事は専門的な検証を受けていません☆

米国は福島第一原発から半径約80km(50マイル)以内に居住する米国人の退避を勧告している。
この半径80kmという距離の算定方法がよく判らないが、
被曝線量の見積りから推定されているものと考える。
国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告では、
一般の人が1年間にさらされてよい人工放射線の限度が1mSvであるから、
それが基準にされていると仮定してみる。

1mSvを365日24時間で割ると0.114μSv/hになる。
一方、自然放射線は地域によって異なるが、
日本における平均値が年間1.4mSvであるから0.160μSv/hである。
(因みに自然放射線の世界平均は年2.4mSVであるから0.274μSv/hになる)
80kmより遠い地域で観測される線量は、
0.114+0.160=0.274μSv/hを大きくは超えないと期待できそうだ。

また放射線業務従事者に許容されている被曝線量は
5年で100mSv(年平均20mSv)と一般の人の20倍である。
これは365日24時間で割ると2.28μSv/hになる。
線量は大雑把には距離の2乗に反比例するだろうから、
半径80kmの地点の20倍の線量が期待されるのは
中心から80/√20=17.9kmの地点と推定される。
国が避難指示を出している半径20kmはこれよりも少しだけ遠い。
放射線業務従事者の値は労働安全の観点から
年間10万人に1人程度の死亡者のリスクが見込まれるものだということだ。
喫煙による死亡リスクが年間10万人あたり28人、
自動車事故の死亡リスクが年間10万人あたり10人ということだそうなので
それよりも十分に小さいリスクである。
立場にもよるが実験のために放射線業務従事者登録をしている研究者には、
ほぼ安全といって構わない受容可能なリスクではないだろうか。
(参考ページ http://rcwww.kek.jp/kurasi/page-56.pdf

例えば、茨城県の北端の北茨城市では
3月19日14時現在0.906μSvで、
http://www.pref.ibaraki.jp/important/20110311eq/20110319_12/
福島県いわき市では3月19日15時現在約0.86μSvであるが、
http://www.pref.fukushima.jp/j/sokuteichi94.pdf
このままこの値が一年間続いたとしても
ほぼ安全な数値と言って良いのではないだろうか。

☆ご注意下さい、本記事は専門的な検証を受けていません☆