尖閣諸島に地方議員が上陸した問題で
これを外交的観点から「愚行」と評価する向きがあるようだ。
例えば、
「国際宣伝戦に完敗した「日本の領土を守るため行動する議員連盟」のお馬鹿さん達!」
http://agora-web.jp/archives/1481454.html
尖閣諸島は日本が実効支配しているから
北方領土や竹島とは違うというのはその通りだが、
ロシアや韓国が実効支配の強化を図っているのに対して
日本政府は尖閣諸島の「実効支配」を強化するようなことは
これまでほとんど何もしてこなかった。
魚釣島灯台だって元はといえば
日本青年社という「右翼団体」が建設して(1978年)長い間運動した結果、
国に譲渡されて(2005年)ようやく国有化された経緯はご存じだろうか?
だから騒がなければ国は何もしてくれないと考えている人達を
自分は笑う気にはなれない。
少なくとも政府の無策振りを指摘する内政上の効果はあると思う。
ミスチーフ礁とかで中国軍がやっていることを見れば
(最近だとスカボロー礁も何やらきな臭い)
自分には尖閣諸島が安心だと思っている人のセンスは理解できない。
また自分は外交問題については全くの素人だけど
中国の現政府との外交関係ばかり気にするのは、いささかどうかと思う。
天安門事件以降も中国は
相変わらず共産党による政治的思想的独裁体制だ。
しかも経済発展の一方で、格差拡大などの問題を抱えていて
強権的思想統制が故に、
それを合理的に解決するのが困難な状況だとも言える。
社会的矛盾に不満を抱えた人々がそれを表明しようとしても
デモはもちろんのこと集会すらもままならないと聞く。
(昨年の温州市高速鉄道事故の顛末を覚えておいでだろうか?)
そういった中で反日デモが可能なのはちょっと特殊なのだが、
(民衆の不満のガス抜きに使われているという説もある)
しかしそれが暴走して政治的に不安定な状況に繋がることを
中国共産党政府は凄く恐れているらしい。
そうだとすれば、
日本側の挑発行動で中国側の民衆が暴徒化して制御不能になって
中国共産党の政治支配が打ち倒されないまでも弱体化して
民主化・自由化が進むなら良い、
というような考え方もできるのではないだろうか?