地獄のハイウェイ

科学・技術や趣味のことなど自由気ままに書き散らしています。

赤崎勇『青い光に魅せられて』感想

昨年ノーベル物理学賞を受賞した著者が2013年に出した語り下ろしの回顧録
青色ダイオード開発の軌跡はもちろん非常に興味深く読めたが、
京大卒業後、神戸工業入社、名大助手~助教授、松下電器研究所を経て名大教授と
企業と大学の間を行き来しながらの研究の発展を回顧していて非常に興味深い。
電子材料分野ではアカデミアと民間企業の間は垣根も特に低いのだと思うが
「博士は役に立たない」とか「博士を生かせない企業が悪いとか」
ポスドク問題で一部の分野の人達の叫んでいるのとは全く違う世界だなぁと思った。
そういう下世話な話はさて置き、
手柄自慢の大風呂敷に辟易するようなところは一切なく
科学技術に関心のある人に広く薦めることのできる良い書だと思った。