地獄のハイウェイ

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冥王星の降格

既に報道されているように国際天文学連合IAU)が、8月24日の総会で、
冥王星を惑星から除外しセレスや2003UB313と共に
"dwarf planet"(矮惑星と仮に訳されている)にする
「惑星」の新定義を採択したそうだ。

個人的には最接近時には海王星よりも太陽に近づくその特異的な軌道や
衛星カロンと共通重心の周りをまわる二重惑星(今後は二重矮惑星?)ぽいところが
素人ながらも面白いと天体だと思うので
「惑星」から降格されても研究対象としての人気は落ちてほしくないと思っている。
でも定義自体には良いんじゃないかとも思っている。

それはともかく、
長年「惑星」として親しまれてきた冥王星
その地位から転落したということで、
TVや新聞などのマスメディアでも大きく報道されたし、
色んなところで関心を持たれているようだ。
職場でも「太陽系のリストラ」なんてギャグが出ていた。
それ自体が経済的利益を生むわけではなくても
世間の人が興味を持っていることを示していて興味深い。

一方で、カビ・キノコはホイッタカーの5界説以来
「菌類」として植物から独立した分類になっているにもかかわらず
(それどころか植物よりも動物に近いことも判明している)
相変わらず世間一般(子供向きの学習図鑑とかを含め)では
植物として扱われていてあまり関心を持たれていないようだ。
冥王星の降格が世間の耳目を集めているのとは格差を感じる。
この関心の差はいったい何処に原因があるのだろうか?
科学コミュニケーションの専門家の意見を聞いてみたいものだ。