一部で話題になっているが、
入試センター試験を難易度別にする検討が始まるという話だ。
今のセンター入試では受験生の二極化のため、
学力の高い受験生の間では得点差がつきにくいのに、
学力の低い受験生には難しすぎるのだそうだ。
非常に乱暴に考えれば、
センター入試をフランスのバカロレアとかドイツのアビトゥーアみたいな
「大学入学資格試験」にしてしまって(その場合は全ての主要科目を受験させる)
下側の山の低学力層は大学受験資格がないとするのが良いのだろう。
そうは言っても、
現実に大学を経営している側からすれば、
定員割れに直結するような乱暴な改革を受け入れる気にはならないだろう。
しかし考えてみれば容易に分かるはずだが、
もしも難易度別センター試験を導入するなら、
難易度の低い方の入試を採用した大学は、
結局大変な目に遭うのではないだろうか?
「どちらのセンター入試を使用した大学か」は
就活にすごい影響が出る。
簡単な方の入試を採用している大学の出身者は、
いわば低レベル大学出身者という刻印を受けてしまうのである。
定員割れを一時的に回避できたとしても
卒業生がろくに就職できないという結果は、
「卒業する価値のない大学」という評価に直結する。
そして一度でも「低レベル大学」という烙印が押されれば
その評価を覆すのは容易なことではない。
もしもそうやって「低レベル大学」という烙印を押すことで、
大学の淘汰を加速しようという文科省の策略だとしたら、
本当に生き残りたい大学経営者は気をつけた方が良い。