今朝の読売の朝刊に『下剋上受験』という本の宣伝が載っていた。
現在TVドラマ化されて放映中だそうで、
中卒の両親が親娘で最難関中学を目指すとかいう内容だそうだ。
その本を読んでもいないしドラマも見ていないが
自分自身もウン十年前に中学受験して落ちたクチなので
ちょっと思ったことを書いておく。
不合格者のくせに偉そうなこと言うなとか言われそうだが、
中学受験ってそんなに人生を左右する重大事でもないように思う。
実際、社会に出ると最終学歴でさえそれほど重要なものではない。
悲しいかな東大卒の博士でも
「あの人はちょっとねぇ」と言われてしまう人もいる。
どこの中学を出たとかそんなのが言われることなどほとんどない。
成長の速さは人によってバラつきが大きくて
中学入試の年齢ぐらいだとイマイチでもその後にぐんぐん伸びる人もいれば
「昔神童、大人になったら唯の人」式の単なる早熟型の人もいる。
マラソンで最初の5kmくらいのところの順位みたいなものだ。
それ以上に問題なのは中学受験で好成績をとるのに必要な勉強というのが
社会で生き抜くための学力を育てる訳でもないし
それどころか大学に入ってからの勉強(研究室に入ってからの話ではない)にも
残念ながらそれほど役に立たない。
大学といってもレベルが色々あるのであれなのだが、
中学受験をする人が目指すような上位の大学であれば
自分なりに問題を見つけて議論を自分なりにまとめられるような
そういった知力がないとレポートで良い評価を受けるのは難しいだろう。
それは試験問題について良し悪しを評価・議論するような
そういった能力に近いものが要求される(もちろん研究になると話はまた別)。
恐らく『下剋上受験』だと娘さんではなくお父さんの方の作業の方が
大学での勉強に繋がるだろう。
だから中学受験が無意味だとは言わないが
あんまりムキになるものでもないように思う。