地獄のハイウェイ

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大学を通過点にする

教育者としての大学教員の実績評価をどう行うべきかという問題は
難しく考えればきりが無いけれど、
Makkurikuriさんが指摘するとおり大学は「教育機関としての最終到達点」だから
入試の実績といった形で教育実績を評価するのが難しくなっていることは確かだろう。

医師や薬剤師といった国家試験の合格率が話題になるような学部であれば
それを実績として評価できないことは無い(善悪の問題は別)。
例えば第90回薬剤師国家試験(2005年)に関しては
ブランド大学である旧七帝大は振るわないのに対して私立大学の健闘が目に付く。
旧七帝大の最上位は東京大学で合格率76.79%で40位、京都大学に至っては65.63%で45位と
薬剤師国家試験に向けた教育に力が入っていないことが良く判る。
(因みに全体のトップは明治薬科大学の95.38%)
これに対して研究面で必ずしも一流の環境を備えているとは限らない私立大学が
国家試験合格率を一つの目標に経営努力していることは明白だ。
(それが教員の評価にどう結びついているかはよく判らない)

一方で理工系の場合は国家試験はないけれど
専門的知識を身につけるには学部だけではちょっと足らないので
かなり多くの人が大学院に進学するといわれている。
そいうことであれば
大学院入試を同じ大学の大学院に進学するトコロテン方式の選抜入試ではなく
出身大学と大学院の間の関係を切って
大学入試のようにするのも一案ではないだろうか。
そうすれば難関大学院進学率で教育実績を評価することもできる。
(教員の評価のためだけに大学院を分離するのは本末転倒とは思う)
現実はそう簡単にいかないとは思うけれど
総研大奈良先端大のように学部を持たない大学院大学もあるので
大学の学部教育と大学院を分離することは不可能ではないはずである。

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本記事は
Makkurikuriさんのブログサイト「ある大学研究者の悩み」
2006年03月30日付エントリ「教育者としての評価」
http://makkuri.exblog.jp/3413558
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