『反知性主義―アメリカが生んだ「熱病」の正体』という本の
著者の森本あんりという人が読売新聞に取り上げられていた。
http://subsite.icu.ac.jp/people/morimoto/Texts/AntiIntelYomiuri.pdf
なんだか反知性主義の定義が恣意的な感じで好かないのだが
それ以上に強烈な違和感を感じたのが、
<「学のある者もない者も、インテリも小学校すら出ていない者もみな同じ」という平等感に支えられ>
というような「神の前では皆平等」式の言説を
まるで素晴らしい事のように評価する考え方。
いつも思うのだが、
ある種の宗教に熱心な人達は「神の前では平等」とか言うものの
それは信仰を持っている人達についてのことであって
不信心者とか異教徒とか無神論者とかそういう人達は対象に含まれていない。
信仰という基準の前では、
知識や教養が優れていても、それらを欠く人と平等という見方は
ほぼ同様の構図で、
世俗的な意味で道徳的に善良であろうとも、そうでない人と平等という見方につながる。
それどころかこの平等感は一方で偏狭な宗教的排他主義に結び付き、
異教徒とか不信心者はどれほど善良であろうと
神の祝福の対象ではないという見方に直結している。
そしてそれが嵩じると異教徒狩りとか宗教テロに繋がっていく。
自分は「神の前では皆平等」みたいな物言いを高く評価する気は全くない。