地獄のハイウェイ

科学・技術や趣味のことなど自由気ままに書き散らしています。

宗教

外野から見たブッダゴーサを巡る仏教学の論争

仏教学者清水俊史の著作『上座部仏教における聖典論の研究』に対する出版妨害事件を含むアカハラ問題で一部の注目を集めた、パーリ仏教(スリランカの上座部大寺派)の大注釈家ブッダゴーサ(5世紀頃)*1の位置づけを巡る馬場紀寿と清水俊史の論争について…

馬場紀寿『初期仏教』を読んで

最近出版された馬場紀寿『初期仏教』(岩波新書)を読んだ。 最新の研究成果を反映したという触れ込みで、 それはそうなんだろうけれど今までの入門書、 例えば同じ岩波新書なら三枝充悳『仏教入門』とかと比べて どのように新しいのかが素人には分かりにく…

不信心者も神は祝福するのか?

『反知性主義―アメリカが生んだ「熱病」の正体』という本の 著者の森本あんりという人が読売新聞に取り上げられていた。 http://subsite.icu.ac.jp/people/morimoto/Texts/AntiIntelYomiuri.pdf なんだか反知性主義の定義が恣意的な感じで好かないのだが そ…

オウム問題であまり見掛けないことの疑問

オウム真理教の問題は宗教学者とか社会学者とか そういった人達があれこれ語っていたりするのだが、 そういった言説の中であまり触れられていないことで ちょっと気になることがあるで書いてみる。 人民寺院とかブランチ・ダヴィディアンとか あるいはマンソ…

“God”と「神」について

先日、感想を書いた川崎謙「神と自然の科学史」もそうだが、キリスト教の“God”を「神」と訳すのは適切でないという話題がある。これに関しては、19世紀中国に来ていた宣教師の間で「上帝」という訳語候補もあり、「神」と「上帝」の間の用語論争があったとい…

科学教でも良いんじゃないか

池田徳正さんが「ネットに蔓延する科学教を考える」という記事を書かれている。 http://informatics.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/post-1933.html 自分は科学を技術知の延長線上に考えるプラグマティズム的立場だし、 宗教的には科学を「世俗知」とみなす…

オウム真理教と科学の関係について考える

あらきけいすけさんという方が、 オウム真理教をニセ科学関連の観点から論じることへの違和感を書かれた記事の中で、 「特に社会の衝撃を与えたのは、ボクの理解では、「カルト」と「科学・技術の正確な使いこなし」の結合がテロという形で表に出てきたこと…

魔術的な言語観と「水からの伝言」

関東地区公立小・中学校女性校長会総会・研修会というところで 江本勝が「水からの伝言」の講演をしたという話があって物議を醸している。 ※参考ページとしてFSMさんの「『教育現場に水のメッセージを』(『Hado』9月号)」 http://ameblo.jp/fireflysquid/e…

カルトのやり口

a1214さんという方の「週刊日記」というサイトの 「インチキ宗教のだまし方」という記事が非常に興味深い。 http://blog.goo.ne.jp/a1214/e/2e6ca6153ffe98841eba674cbfb4979f まず、インチキ宗教の「本」による宣伝戦略について 悪徳商法も本を出しては全国…