地獄のハイウェイ

科学・技術や趣味のことなど自由気ままに書き散らしています。

STAP事件でちょっと気になること

先日STAP事件でバカンティのことを書いたので
古い記事などを見直していたのだが、
そこでちょっと気になったことがある。
それはSTAP事件で研究不正疑惑騒動の分水嶺となった
博士学位論文画像の流用に関する件である。
NatureのArticleの方のFig.2e下段が学位論文の図の流用らしいと
ネット上で11Jigenという人が指摘したことで
http://stapcells.blogspot.jp/2014/02/nature-article.html
研究不正が行われていると多くの人が確信するようになったあれだ。
(潮目の変わり様については次のまとめサイトが分かりやすいと思う)
 http://matome.naver.jp/odai/2139437526768951501


これについては理研の調査( http://www3.riken.jp/stap/j/f1document1.pdf )では
間違って載せてしまったとかいういい加減な話で片付けられてしまし
その後はサンプルどうのこうのという話が中心になって注目が薄れたようだ。
だがその理研の報告書の7ページを見ると
学位論文の画像というのは
「学位論文では生後3ないし4週齢の骨髄由来細胞を細いピペットを通過させる機械的ストレスをかけることにより得られたsphere細胞(球状細胞塊形成細胞)が用いられており」
となっている。
学位論文「三胚葉由来組織に共通した万能性体性幹細胞の探索」であるから
骨髄由来細胞のsphere細胞っていうのは当然のこと
例のバカンティのスポアライクステムセル由来であることになっていて、
先端径10μm程のパスツールピペットで微小な細胞のみを回収して得たことになっている。
小保方の学位論文では大量のコピペの方が話題の中心だった上に
早稲田の対応がめちゃくちゃでろくな調査がなされず
下書きを提出しただのなんだので学位取り消しでなかったことになっていて
これが本物だったのかどうかはほとんど追及されてはいない。
骨髄由来のsphere細胞なるものが
各種の三胚葉由来組織細胞に分化するのを示した
というのが件の小保方の学位論文の図のはずだが
バカンティのスポアライクステムセルが胡散臭いのだから、
当然のこと小保方の学位論文のこの話も相当に疑わしい。
これについては学位の副査をした大和雅之あたりは責任を持って
事実を公表するべきではないだろうか?