地獄のハイウェイ

科学・技術や趣味のことなど自由気ままに書き散らしています。

知的ファッションとして科学を語れ

サイエンス・ウォーズというかソーカル事件以来、
ポスト・モダンとかの思想っぽい分野での
科学語りの「知ったかぶり」振りが暴露され、
そういうことは恥ずべき事だという雰囲気になっているように思われる。
確かにいい加減な理解を振りかざしてあれこれ論じるのは恥ずかしい。
だが生半可な知識であっても先端科学分野に親しみを持ってくれるのは
よく考えてみると必ずしも悪い話ではない。
読者を煙に巻くために自分でも理解していない理論を比喩に用いるのはどうかと思うが、
そんな理論の名前すら聞いた事のない人達に
それが重要な理論だと伝えると言う点では効能がないわけではないし、
何よりも実用に結びつかない基礎科学の理論を
知的なファッションとして宣伝してくれるなんて、
凄い科学コミュニケーションではないか。

「知ったかぶり」でもなく権威主義的でもなしに
科学理論と社会・文化を並列に語るようなちょっと大風呂敷が
知的なファッションとして成立すると面白いような気がする。