最初に断っておくが自分は日本人の科学者が活躍すると嬉しいし、
頑張っている研究者やその予備軍に対してもエールを送りたいと思っている。
ただ、今年のノーベル化学賞の根岸英一さんのように、
日本人であっても帝人を休職して米国（ペンシルベニア大）で学位を取得し、
そして会社を辞めて彼の地でポスドク（パデュー大）を経て、
そのアカデミックキャリアのほとんどを米国で過ごした人の研究は、
米国の資金で行われたものなのだから、
その成果は日本の科学に帰属されるべきものではなく
米国の科学の成果として評価されるべきものだと思う。
科学を人類全体の財産であるとする観点から言えば、
その果実をどこの国のものとか議論すること自体が滑稽なのかもしれないが、
何処の研究資金が投入され、何処の学術界に貢献したかを問うなら、
上記のような判断をせざるを得ないだろう。
喩えが変かもしれないが、
日本人の俳優が主役をしていようが
ハリウッドで製作されたものは日本映画と言えない様に、
根岸さんの研究成果を日本の科学とは言えないのではないだろうか。
それでも自分は日本人の活躍は嬉しいし、
以前の記事でも書いたが
日本から若い科学者が海外雄飛するのは応援したいと思っている。
とはいうものの日本や日本人のことをボロカスに言うような人には
日本国籍を捨ててお気に入りのお国に帰化すれば、と言いたくなるのも事実だ。
（外国に帰化した人でも日本を愛していてくれる人には悪い感情はない）
