地獄のハイウェイ

科学・技術や趣味のことなど自由気ままに書き散らしています。

われらは涙流してひざまずき

阪大の菊池誠平川秀幸ツィッターでのやりとりをまとめた
http://togetter.com/li/159792
というページを見てものすごく不愉快な気分になった。
「リスク比較を血も涙もなくやる」という言い方が繰り返し使われているからだ。

「血も涙もない」というは、Yahoo!辞書で調べると
「全く人情味がない。冷酷そのものである。」(大辞泉
「人間的な心情が全くない。少しも思い遣りの心がない。冷酷無残である。」(日本国語大辞典
といった意味でかなり非道なニュアンスのある言葉だ。

震災にしても原発事故にしても被害者は
人間らしく扱われることを望んでいるとは想像できないのであろうか?
人間としての尊厳を無視されることは追い撃ちを受けるようなものだ。

リスク比較に感情を持ち込むと冷静な計算が出来ないというのなら
こんな残酷な言い回しなどせずに
「感情に流されず淡々と」ぐらいの表現で済むはずだ。
こんな人の心を土足で踏みにじる様な言い方で
リスク比較についてあれこれ言われたくないというのが正直な気持ち。

心に届くコミュニケーションのためには
被害者にとってつらい情報は、
涙を流さずに伝えることができないような
そういう共感を持った人材が必要なのではないか。

数字は意味を剥ぎ取るとかの御託を言う前に
経済学者アルフレッド・マーシャル
"with cool heads but warm hearts"という言葉をよく噛み締めて欲しい。