地獄のハイウェイ

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100mSvの死亡リスクは2010年夏の猛暑による熱中症死者よりも大

最近になって知ったのだが、
厚生労働省による統計だと2010年の熱中症による死者は1,718名だったそうだ。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001g7ag-att/2r9852000001g7fo.pdf
人口10万人あたりで1.4人だそうだ。
昨年は記録的な猛暑であったため熱中症による死者が多くて
1964年(昭和39年)以降で最大の数値だそうだ。
猛暑の程度は地域差もあって北海道だとかは少ないはずだから
全国平均よりも地域別の死亡率(対10万人)の数値に興味があるところだが、
厚生労働省のデータでは死亡率は年齢統計のみで、
地域別は死亡数のみで死亡率は計算されていない。
ネットを探すと計算してくれているところがあって(http://www.garbagenews.net/archives/1784020.html
それによると最大は香川県の10万人あたり2.8人というのが一番大きいようだ。
因みに「日本一暑い」多治見を抱える岐阜県が1.6人、ライバルの熊谷を抱える埼玉県は1.7人。

10万人あたりの死亡率ということで先日書いた
日本学術会議会長談話を批判する
という記事で述べた100mSvの被曝による死亡リスクと比べてみた。
100mSvの被曝によるがんの生涯死亡リスクは0.5%で10万人あたり500人の増加。
これを平均寿命83年で割って得られる年間死亡率は10万人あたり6人。
(ここで平均寿命は男79.59年、女86.44年を平均して求めた、
 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000r76e-att/2r9852000000s68b.pdf

100mSvの被曝による年間10万人あたり6人という数値は、
昨年の熱中症死亡率1.4人あるいは都道府県別の最大値である2.8人よりも大きい。

この手の計算は大雑把な見積と考えるべきなので
厳密な議論に耐えるとは思わないが、
100mSvの被曝によるがん死亡リスクは、
昨夏の猛暑による熱中症の死亡率を上回ると考えても良さそうに思われる。