地獄のハイウェイ

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民間出身の防衛大臣とか言うけど

内閣改造で新たに防衛大臣に就任した森本敏拓殖大学教授について
「初の民間人起用」とか報道されている。
この場合、「民間人」というのは政治家でない
ということらしくて、日本語としては変な用法だなぁと思った。
軍事関係だと民間人というのは「軍人・戦闘員でない」という意味合いで使われるけれど
森本防衛相の経歴を調べると防衛大学校をでて航空自衛隊に務めていた経歴があり
はっきり言って「元軍人」ではないか。
そして在米日本国大使館一等書記官、情報調査局安全保障政策室長)などの
キャリア官僚的な外交官の経歴に加え、なんと防衛大臣補佐官までやっている。
http://www.office-morimoto.net/about
独法の理事とかの役職についたら「天下りの官僚」とか言われそうなものだ。
こういう人を「民間人」といってしまう政界やマスコミの感覚にはついていけない。

ところで「公務員」は軍事でない文脈では「民間人」ではないと思うが、
そういう人を大臣にしてはいけないという法律的根拠はあるのだろうか?
一般職と大臣(特別職)は兼務できないだろうけれど
大臣になる際に一般職としての身分を失えば法的にはどうなのだろう?
さすがに文民統制の点から憲法第66条で現役軍人を大臣にすることを禁止しているが、
文官であればこれにはあたらないので問題ないような気がする。

そこでちょっと思ったのだが、
政治「素人」の国会議員が大臣になって
官僚が実務を仕切って大臣は官僚の操り人形になってしまうくらいなら
いっその事、現役官僚をその省庁の大臣にしてしまって
不始末をしたら「責任」を取らせて首にしたりした方が
「政治の責任所在」が明確になって良いような気がする。