スパコン「京」が2位に転落したという報道があった。
この種の首位争いは、いずれ新型機に抜かれて
首位の座を明け渡すものなのでニュース自体は当然だろう。
さてそれで例の「仕分け」の時に、
蓮舫の「2番じゃダメなんですか?」に過剰反応していた人達は
一年間とは言え「京」が首位でいたことで
どれだけ日本の学術や産業に寄与したかを検証するのも良いだろう。
ところで東工大の牧野淳一郎教授が「京」プロジェクトを批判した資料を見つけた。
http://jun.artcompsci.org/talks/fukui20120614.pdf
計算科学の専門家によるものなので分らないところも沢山あるが、
p.43の
プロジェクトとしてみると
– 数値目標が低すぎる
– アプローチが時代遅れなため低い目標も実現困難
という問題があった。
あるいはp.47の
「京」の場合: 要するに時代遅れ。30年前ならよかったかもしれない
といった評価を見ると自分が思っていた以上に
ダメプロジェクトだったようだ。
またp.55の
・「京」の開発プロセス、できたものは色々おかしい
・その根本的な理由は、「国家によるスパコン開発が産業発展
に寄与する」という幻想と、それが実体化した官学複合体
というのを見るとあの「仕分け」の大騒ぎは何だったのかを
騒いだ外野の研究者達も今一度、見つめ直す必要があることは間違いない。