僕が仕分け人で科学者に対する国民の指示を失わせたかったらこういいます。「わかりました。Spring-8とスパコン、どっちかだけお金だします。議論して選んで下さい」科学者は醜態をさらすでしょうね。それでジ・エンドです。RT @enodon:
— 田口善弘 (@Yh_Taguchi) November 30, 2009
とツィッターで言ったそうだが、
残念ながらそんなことを言われた場合には、
あっさりとケリがつくだろうと思う。
というのは京速スパコンもSPring-8も理研の事業で
科学者大勢が何を言おうと理研の一存で決めることができるからだ。
しかも京速スパコンを担当している
次世代スーパーコンピュータ開発実施本部
の面子を見ると理研は京速スパコンを選ぶだろうと予測できる。
何せ京速スパコンの本部長は野依理事長ではないか。
(彼がスパコン、スパコンと騒ぐのは本部長として関係しているから)
それに対してSPring-8を担当している
放射光科学総合研究センター
の方には野依さんの名前はない。
ちょこっと詳しい事情を鑑みると
理研の直接事業の京速スパコンと違って
SPring-8の方は高輝度光化学研究センター(JASRI)に運営を委託した間接事業、
(これは以前は理研と原研の共同事業だったときの名残りのようなもの)
どちらをトカゲの尻尾にするかは見当が付く。
もっとも、
SPring-8を捨てて京速スパコンを選ぶ事を醜態と呼ぶのならそうかもしれない。
実際に運転していて成果も出ているSPring-8を止めて
メーカー撤退のドタバタの中の計画見直しでこれから作る京速スパコンを取るのは
どう考えても未来のために現実を犠牲にする危険な選択だ。
また、海外からの利用者も多くて国際的な支持もあるSPring-8を捨てて
国際競争に負けると云々の京速スパコンを選ぶのは
人類の共通財産である科学に奉仕する人間のやる事とは思えない。
実際、国内マスコミの論調とは裏腹というか、ネイチャーの記事
http://www.natureasia.com/japan/nature/special/nature_news_112609.php
でもSPring-8の方が京速スパコンよりも大きく扱われている。
また取り立てて非難されているわけでもないSPring-8よりも
IT業界の一部や評論家などからボロカスに言われている京速スパコンをとるのは
覚悟があるのか面の皮がよほど分厚いかなのだろう。
こう考えてくると田口さんの言っていたのとは違う意味ではあるが
日本の科学界は歴史に残る醜態をさらす危険があると言えるかもしれない。
※追記
SPring-8への海外からの支持は放射光学会のサイトに出ていたリストが参考になる。
http://www.jssrr.jp/1130_3.pdf