地獄のハイウェイ

科学・技術や趣味のことなど自由気ままに書き散らしています。

科学者・技術者は軍人のようなもの

ネットでうろうろしていたら次のような文章を見つけた

パラダイム論的に見れば、科学者・技術者というのは軍人のようなものである。そのことを公共政策決定関係者が十分認識しなければならない。」

http://www.geocities.jp/nomonomoglobalwarming/Reviews/Yoshioka/Yoshioka2004.htm

出典は、吉岡斉「公共利益の観点からみた原子力研究開発政策 - 高速増殖炉サイクル技術を中心に」
(白鳥紀一編『物理・化学から考える環境問題 - 科学する市民になるために』2004年)だそうだ。
確かに最新鋭装備をタップリ揃えたがる点については
軍人と科学者・技術者はそっくりかもしれない。

元の文章は高速増殖炉サイクル技術について述べたものだが、
スパコン「京」の仕分けの際の大騒動を見ても似たような感じだ。
ヒトゲノムプロジェクト以降の巨大化した生命科学分野もそうだ。
業績が上がらないことが地位の喪失に繋がる競争環境にいる科学者や技術者は
勝ち目が薄くなったからと言って簡単に退却はしないものだろう。
若年人口の減少期においても大学定員の拡張を止めないアカデミア関係者もまた然り。

また、以下の文章も全く同感だと思った。

「問題解決を重ねていけば最終的な目標達成に行き着くはずだと、ひたすら信じようとする思考態度こそが、「ポジティヴィズム」(前進主義)に他ならない。この前進主義の立場は、全ての近代的な科学技術分野において共有されている立場である。この「パラダイムの虜囚」としての立場を相対化することこそが、科学者・技術者が「知識人」に仲間入りするための必要条件である。」