地獄のハイウェイ

科学・技術や趣味のことなど自由気ままに書き散らしています。

祝福されない戴冠

昨日のWBAライトフライ級王座決定戦で、
亀田興毅ファン・ランダエタに判定勝ちした試合は、
ネット上でも騒然たるネガティブな反響を呼んでいる。

自分は亀田が余り好きではないし、
長々とした煽り映像を見るのがいやだったので
途中からチャンネルを回したため、
初回のダウンシーンを見逃してしまった。
そのため、試合の全体について
正確には判断できるわけではないのだが、
中盤の互いに額をつけた膠着ラウンドをマストで採点したら
亀田の攻勢をとって僅差の判定になるかもとは思う。
僅差だとホームタウン・デシジョンで後味の悪い判定が出るかなとも思うし、
中継でも「ジャッジの集計に手間取っている」という
アナウンサーのコメントがあったので
微妙な調整があるのかなぁという気がしたので
亀田の判定勝ちが告げられたときにも、それほど驚かなかった。
(念のために言うと判定はおかしいと思っている)

ところが、視聴率は平均で42.4%、瞬間最高視聴率が52.9%という
国民的関心の中での放送であったため、
素直な視聴者からは「負けたとしか思えない」という大反響が巻き起こってしまった。
ビッグマウス振りからお茶の間の人気者になった亀田であるが
「作られたチャンピオン」のレッテルは容易には剥がせないだろうし
ボクシングのスポーツとしての権威も地に落ちてしまいかねない。
これは選手としての亀田にとってもボクシング界にとっても
非常に不味い事になったと思う。

TBSはかつて国際プロレスの旗揚げに際して、
「ヒーローを一夜にして作ることが出来る」式の認識で
プロレスラー達の反感を買ってブック破りをされて失敗しているらしいが
(詳しくは森達也「悪役レスラーは笑う」(岩波新書)を参照して欲しい)
「憎まれ役を一夜にして作ること」には成功したとでも評すべきなのかもしれない。