地獄のハイウェイ

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受験対策のためなら学習指導要領を犠牲にできます?

これまで教育問題になると、
何かと現場を縛り付ける「悪者」扱いを受けてきた学習指導要領だが、
現場では結構ないがしろにされていることがわかった。

学習指導要領に定められた必修科目を履修させずに
受験対策の科目に振り替えていた高校が
全国各地でかなりの数に上るようだ。
現時点の報道では私学よりも公立高校に多いようだ。
ひどいのになると成績表に虚偽の記載をしていた高校もあるようだ。

「学校教育が学習指導要領に縛られて云々」とか
ゆとり教育路線の学習指導要領のせいで基礎学力が低下云々」とか
諸悪の根源のようにも言われてきた学習指導要領だが
受験対策のためなら簡単に無視されてしまうのが可笑しい。

学習指導要領の法的拘束力に関して有名な伝習館高校事件では、
学習指導要領を逸脱し教科書を使用しなかった教諭に対する懲戒免職処分が
有効であると判断されているが、
(この判例に従えば今回の件の関係者は懲戒処分の覚悟が必要だろう)
学習指導要領の必修科目を履修しなかった生徒の卒業を認めるかどうかについては
判例はまだないはずだ。
「受験に出ない科目は履修しない(させない)」という考え方には
個人的には全く賛成しないが、
必修科目を履修しなかった過去の卒業生が遡及して卒業を取り消されないのならば
現役の生徒にも必修科目を履修しなくても卒業を認定すべきではないか。


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本記事は、
酔うぞさんのブログサイト「酔うぞの遠めがね」の
2006年10月26日付エントリ「必修科目やらない理由」
http://youzo.cocolog-nifty.com/data/2006/10/post_3ea0.html
及び
yoyogi-tokkunさんのブログサイト「代々木の個別学習塾講師が想う、あれこれ」の
2006年10月26日付エントリ「公教育が教える卑怯?」
http://blog.goo.ne.jp/yoyogi-tokkun/e/2011ed0815acd3ea36449c66bfbaf6e1
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