地獄のハイウェイ

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教科書という業績

科学者の業績として著書というのもあるが、
大学などの教育機関では必ずしも重視されているとは言えないようだ。
しかし教育者として考えたとき小手先の研究成果よりも
後進のための教科書を著すというのは重視されても良いかもしれない。


教科書と言っても玉石混交で中にはかなりひどい物もあるが、
一方では古典的名著と呼ばれる教科書もある。
例えば数学であれば高木貞治の「解析概論」といったとこととか
物理だったらファインマン物理学とかランダウ&リフシッツの理論物理学教程とかが
模範的な教科書として挙げられるのではないだろうか。
そういう有名な教科書はその分野の裾野を広げ発展の原動力ともなるわけだから
優れた教科書を著した科学者は大いに賞賛されるべきだと思う。
上で例をあげたのは研究者としても一流の人々が関与したものだが、
研究者としては凡庸であったとしても
教科書を作る才能とは必ずしも一緒ではないのだから
優れた教科書を作ることは不可能ではないし、
学部初年級というか入門レベルの教科書なら大いに有り得る事だと思う。
名著とまでは行かなくても定番と呼ばれるくらいになれば
それは科学者としても教育者としても立派な業績ではないか。

少し前にはやった科学コミュニケーションも悪くはないが
科学者の情報発信としても教科書執筆は見逃してはならない重要な項目だと思う。
だから教科書執筆とかも評価の対象として丁寧に見れば良いと思う。