地獄のハイウェイ

科学・技術や趣味のことなど自由気ままに書き散らしています。

「正しい柔道」へのアンチテーゼ

衆議院選挙での自民党の歴史的大敗のニュースの陰に隠れているが
オランダのロッテルダムで開催された柔道の世界選手権では
日本男子の獲得した金メダルは一個もなかったそうだ。

ポイント制スポーツの"JUDO"では投技による一本を狙う「柔道」が勝つことは難しい云々、
関係者の言い分は色々あるだろう。
しかし、北京オリンピック金メダリスト石井慧に対して
「投げで一本を狙わないからダメ」式の批判していた人達は
この結果が予測できていなかったのだろうか?
その言動はともかく"JUDO"に適応した戦い方のできる石井を否定して、
また"JUDO"を否定するのなら金メダルを諦めるのが良いのかもしれない。

一方で、「柔道らしい試合」を取り戻すために
タックル系の技の禁止が議論されていたとも聞くが、
戸塚揚心流「朽木倒」(講道館の双手刈)は由緒ある技ではないのか?
あるいは「名人」を謳われた三船久蔵の「踵返」は邪道なのか?
そんな退嬰的発想で「柔道の技」を減らしていってどうする?

柔道のスポーツ化の中で失われた打撃や足関節のある総合格闘技
"JUDO"に適応していた石井が転向していったというのは、
競技柔道関係者の考える「正しい柔道」に対する
強烈なアンチテーゼと言えるのではないだろうか?