地獄のハイウェイ

科学・技術や趣味のことなど自由気ままに書き散らしています。

科学を生きる

東大の松原隆一郎教授(社会経済学)に「武道を生きる」(2006年、NTT出版)という
スポーツ社会学(?)系の著作がある。
松原教授は大道塾総本部でビジネスマンクラス師範代を務める武道家でもあり、
その実体験から、学校や企業に支えられた競技スポーツではない、
社交的な社会資本としての町道場を中心とした武道の存在意義を主張している。
同書には「講道館は現在でも三角絞めを技として認めていない」等の
事実誤認(講道館技名称としては1985年に新名称の技として制定)や
その他同意できない記述も散見されるが、
インテリの書いた武道論として面白い。

さて昨日、アマチュア・サイエンスのことを書いたが、
プロフェッショナルなサイエンスと言うことになると、
大学や企業研究所に支えられた業績競争としての科学研究ということになるだろう。
これはちょうど競技スポーツに対応させることができるだろうから
マチュア・サイエンスは社交的な社会資本としての文化活動として位置づけられるだろうか。
ちょうど短歌や俳句の同人活動とかあるいは日曜画家の活動とかそんなのに近いものだ。
歴史学系のアマチュアになると郷土史家とかの研究会があったりする。
もちろん科学系では昆虫学とか天文学ではアマチュアの活動が盛んだ。
マチュアとして「科学を生きる」お手本はそういうところにあるように思う。