地獄のハイウェイ

科学・技術や趣味のことなど自由気ままに書き散らしています。

コラーゲン摂りたきゃゼリーを食べよう

魔人buu*さんが「コミックサイエンス撲滅委員会」なるサイトを立ち上げたとのこと。
http://comicscience.seesaa.net/
従来からの「疑似科学」「ニセ科学」といった用語との違いは必ずしも明確ではないが
科学の外側にある紛い物ではなくて
科学の周辺にある(あるいは部分的に繋がっている)インチキを指そうとして
「コミックサイエンス」と言う語を選んだのではないかと推測するが、
コメント欄を見るとあまり評判は良くないようだ。

まあコラーゲンを食べても、
それがそのまま皮膚のコラーゲンになる事がないのはその通りだが、
コラーゲン自体はアミノ酸組成が偏っているので
それらのアミノ酸を体内で他のアミノ酸から合成できるとは言っても
コラーゲンの組成に近い比率のアミノ酸を摂取する事は
体内でのコラーゲン合成に不利には働かないと言う程度のことはあるかもしれない。
だが、世間で流布しているサプリメントだの健康食品だの話では、
明らかに科学的に受け容れがたいレベルまで効果が誇張されている。
こういうのは科学を謳い文句にしているけれど
それは話の枕程度であって実態は誇大広告のインチキなのだが、
従来の「ニセ科学批判」ではあまり取り上げられてはこなかったように思われる。
科学的根拠がまったく欠けていて既存の科学と対立する、
というわけでもないからだろうか?
だから、「ニセ科学」とは違った言葉を使ったのかな?とは思う。

ただ、自分はこういう科学風味の誇大広告に対して
「高いサプリよりもゼリーにしたら」とか位は言おうと思うが、
あまり厳しく糾弾しようと言う気にはならない。
もっと怪しげなインチキ医療系の健康法とか漢方薬妄信とかよりは
ずっとマシだからというかそういうところもあって
喩えが悪いかもしれないが、
十字架が悪霊に対する護符になると信じている素朴な民衆に
そんな効果は神学的には考えられないと説教する気にはならないのと似たような
そういう気分だ。


 ※
コラーゲン自体の情報は(独)国立健康・栄養研究所の次のページが参考になる
 http://www.nih.go.jp/eiken/chosa/ishimi.htm