地獄のハイウェイ

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倫理を説くだけでは研究不正は防げない

東大分子細胞生物学研究所の論文不正問題で、
渦中の加藤茂明教授が辞職したのだそうだ。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20120405-OYT8T00930.htm
ちょっと検索すると
詳しく情報を集めているサイト(http://blog.goo.ne.jp/bnsikato)もある。
そこを見ていると日本分子生物学会の研究倫理委員会が出した
「科学的不正を防止するための若手教育への方策について」(2008年4月)
http://www.mbsj.jp/admins/ethics_and_edu/doc/wakateWGreport.pdf
というのをまとめたワーキンググループ委員もやっていたそうなので、
仮にデータ捏造に直接関与していなかったとしても
普通の論文不正のケースよりも責任は厳しく問われて当然だろう。
東大の科学研究行動規範委員会の調査の結果を待たず
日本分子生物学会も論文調査ワーキンググループを立ち上げてしかるべきではないか。

本人がデータ捏造に加担していようがそうでなかろうが、
科学者倫理を説くだけでは研究不正は防げないということを
明白に示しているといえるのではないだろうか。

過去のデータ捏造のケースでは、
対抗的な研究者などが追試することで、
不正が明らかになることも少なくないようだ。
研究者の間に意見の一致が見られないことが、
科学の健全さを部分的に担保している面もあるのかも知れない。