地獄のハイウェイ

科学・技術や趣味のことなど自由気ままに書き散らしています。

言語

三木那由他『会話を哲学する』感想

三木那由他『会話を哲学するーコミュニケーションとマニピュレーション』(光文社新書)を読んだ。会話を情報伝達的なもの(本書では”バケツリレー式コミュニケーション観”と呼ばれる)としてではなく、会話を交わす者同士の「約束事の形成」による共同的コ…

今井むつみ『英語独習法』感想

認知科学に基づいて合理的な学習法を提案するという触れ込みに釣られて、今井むつみ『英語独習法』(岩波新書)を購入したが、自分には向いていないと思った。 自分はどちらかと言えば英語が不得意で、きちんと調べたわけではないが多分CEFR*1のB1に相当する…

ウクライナ語とロシア語

ウクライナ情勢が緊迫してきて、ウクライナの言語事情の紹介記事を見掛けたりしてふと思い出したのだが、ウクライナ語とロシア語は良く似た言語というのはウクライナ人からも聞いたことがある。10年以上前だが連携プログラムで1年弱来ていたウクライナ人の院…

僕を泣か「さ」ないで

実は自分は長いことエアロの"You See Me Crying"の邦題を 「僕を泣かさないで」だと思っていた。 本当は「僕を泣かせないで」。 何故この話を書いたかと言うと、 最近読んだ西村義樹・野矢茂樹「言語学の教室」(中公新書)の中の 語彙的使役構文と迂言的使…

日本語が論理的でないという妄説

時々、日本語は論理的でないから云々といった言説を見かけるがそういった「日本語が論理的でない」と言っている人達の多くは単に日本人のコミュニケーションで、言語外の情報を補わないと単語(特に主語や目的語)の指示対象が曖昧だ、といったことを主張し…

素人には日本語の解説書を

D.ボウイの傑作アルバム"ジギー・スターダスト"の最初の邦題は 「屈折する星屑の上昇と下降、そして火星から来た蜘蛛の群れ」という、 それはそれで味があるのかもしれないが物凄いものだったそうだ。 原題は"The rise and fall of Ziggy Stardust and the S…