地獄のハイウェイ

科学・技術や趣味のことなど自由気ままに書き散らしています。

科学的にも宗教的にもダメだこりゃ

報道によると、国立天文台の男性教授が、
科研費の一部を他の目的に流用していたことが明らかになったそうだ。
流用した一部には、衛星実験の成功を祈願するお札の購入費(8000円)や
研究メンバーの結婚式への祝電の一部としても支出していたそうだ。
こういうのは公金ではなく自分自身の身銭を切るべき代物ではないのか?
効果が当てにできないものに公金を投入してはならないのは当然だが、
「何とか成功させたくてお札を買った」とか言っているらしい。
科学者なのだから本当に効果があると思っているのなら
その「科学的根拠」を示すことができなければダメだ。
天文学者をやめて「お札の効果の実証的研究者」になる覚悟はあるのだろうか?
そうでないなら科学的思考を放棄しているとしか言いようがない。
それから報道ではお札は秩父神社で購入したようだが
神道は基本的に穢れを厭うのは宗教的な常識だろう。
報道されている金額は少額であるが研究費の不正流用という
「不浄の金」で神の加護が得られると考えているとしたら
神罰が下ってもおかしくないというのが神道的な評価ではないか。
金額の多少が問題なのではない、
根性が腐りきっているとみなされても仕方の無い一件だ。

話は変わるが、一連の研究費不正の多発を受けて
文科省外部の有識者による懇談会を設置する方針らしい。
ならば「研究活動の不正行為に関する特別委員会」のときの反省を生かして
外部の有識者の選出に関する経緯に関して詳細を公表すべきだ。
一体誰が誰を有識者として推薦し、その中からどのような基準で選ばれたのか、
あるいは身上調査はしたのかしていないのか、したのならどの程度したのか
そういう詳細が明らかにされない限り、
「盗人に鍵を預ける」事態になった場合の責任は、
全面的に文科省にあることになる