地獄のハイウェイ

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99%の科学者は誠実だとしても

総務省統計局の平成17年科学技術研究調査によれば、
平成17年3月31日現在の研究者の数は79万900人だそうだ。
http://www.stat.go.jp/data/kagaku/pamphlet/s-04.htm

仮に、これら研究者のうちの1%だけが、
論文捏造などの研究不正に手を染めているが、
残りの99%つまり圧倒的多数の研究者は誠実であるとしよう。
その場合、確かに
「ほとんどの研究者は研究不正をしていない」とは言えるだろう。
しかしながら、79万人の1%といえば7,900人になる。
比率としては小さいが数として無視できるような人数ではない。
仮にこれらの不正な研究者が年間に1報の研究不正を行うとすると
年間に8000報近くの不正を含んだ研究論文が生産される計算になる。
あくまでもシミュレーションなので実態を反映しているわけではないが、
平成17年の殺人事件の認知件数1,392件と比べて、
ぞっとしない数になることが判る。
(殺人事件の件数は警察庁統計による、http://www.npa.go.jp/toukei/seianki2/20060424.pdf

仮に100人に1人の割合でも悪人がいるのなら
善人しかいないことをを前提にしたシステムについて
その安全性を保証することが困難なのは明白だろう。
多くの科学者などが最近の研究不正事件に関して、
「ほとんどの研究者は不正に手を染めたりしていない」と弁明し
科学への信頼回復を訴えているのを良く見掛けたりするが、
1%でも不心得者がいることを前提としたシステムにしなければ
科学の信頼回復など無理ではないだろうか?