地獄のハイウェイ

科学・技術や趣味のことなど自由気ままに書き散らしています。

□って誰やねん?

阪大生命機能研究科の杉野明雄教授によるとされる論文不正に関して
同研究科の研究公正委員会の調査報告書がネットで公開された。
http://www.fbs.osaka-u.ac.jp/reports/FinalReport20060921.pdf

今回のケースでは告発者の保護が不十分だったために
助手が自殺に追い込まれたのではないかとの嫌疑がもたれているが
それに関しては全くと言って良いほど触れられていないようである。
そこで気になるのは6ページあたりにでてくる
名前が伏字というか四角い箱で消されている人物のことである。
所属は生命機能研究科つまり阪大なのだから大学院生でもないかぎり
名前を伏せなければならない理由は思い当たらない。
ところが、この人物は自殺した助手に対して専門家の立場で
「杉野教授に撤回を再度要求すべきである。」と助言しているので
学内でそれなりの地位の人物ではないかと推測される。
(普通、大学院生は助手に意見することはあっても「助言」はしないだろう)
関係者の間では名前は知れ渡っているのだろうけれど
部外者にとってはなぜ匿名にしなければならないか疑問を感じるばかりだ。
こういうある種の不透明さがあると
何か隠しているのではないかという疑問が拭えない。
阪大にとって都合の悪いことは公開しないということなのだろうか?

こういう不透明性が残る限り、
捏造に関しては杉野教授の「単独」犯行と報道されていることも
あるいは一人に罪を限定することで阪大を守ろうとしているのではないか、とか
定年間近の杉野教授が一人で罪を被ろうとしているのではないかとか
そういう疑問も頭をもたげてくる。

不正に関する組織内の調査が信用ならないのは
企業の不祥事の際でも繰り返し示されてきた。
必要とされているのは法的な強制力の行使が可能な
第3者による調査ではないだろうか。