地獄のハイウェイ

科学・技術や趣味のことなど自由気ままに書き散らしています。

敗者復活戦があれば

不況の影響で就職事情が非常に厳しい中、
ひとたび非正規雇用で就業してしまうと正規雇用に就けない事を心配して
内定が取れていない学生さんが留年を希望しているとの話が、
かなり聞こえてくるようになった。

ことの背景には多くの企業が新卒優先採用で、
既卒者分けても非正規雇用既卒者の採用を認めていないことがある。
もちろん中途採用枠で既卒者を採用したり、
いわゆる第二新卒を採用をしている企業もあるにはあるのだが、
一度派遣等の非正規雇用者になってしまうと、
正規雇用の道がほとんどないと言っても、
決して言い過ぎでないくらい厳しいのが現実だ。
そういう雇用慣習はなくなるべきだと思うのだが、
現状では留年を希望する学生さんの気持ちも良く分かる。

ポスドク問題でもこれと似た部分がある。
というのは、一旦アカデミアの外に出てしまうと
特に研究職でない身分になってしまうと
稀な例外を除けばアカデミアに戻ってくるのが絶望的になるからだ。
研究者の世界は敗者復活戦がない生存競争だとも言える。
だから多くのポスドクにとっては、
キャリアパスの多様化事業なんて
敗者が載せられる担架にしか見えないというのが、
偽らざる心境ではないだろうか。