地獄のハイウェイ

科学・技術や趣味のことなど自由気ままに書き散らしています。

アカデミア周辺で生きる

先日の「漂流する博士は定着できるのか?」で書いたことの続きで少し考えた。
アカデミアからの転進組が
完全なノンアカデミックな職場で正規雇用で定着できるのかというと、
それは難しいということになる。
そうなると契約社員とか派遣社員とかいった
「非正規雇用」に活路を求めざるを得ないということになる。
研究者としてトレーニングを受けた能力が生かせるのは
研究の世界が一番なのだろうということも考慮すると、
有期契約の研究職とか派遣の研究職といったところになる。

ところが、ポスドクを除けば
有期契約の研究職というのはあまり見掛けない。
明らかにポスドクでない場合で契約研究員という名称で募集しているのを見ると
学歴要件が修士修了であったり大卒だったりするものが多いようだ。
博士が自立した研究者としての最低限のレベルであるとすると
それよりも下であれば名称はともかくとして実際には研究支援者の範疇だと思われる。
派遣会社経由の研究職派遣も実態は研究補助職の場合が多いようだ。
つまりそれらは、
テクニカルスタッフとか研究補助の名称で、
公募が出たりあるいは入札公告が掛かったりしている、
そういう職種と同類なのだと思われる。

以前に「ポスドクはテクニシャンになりたいと思うか?」と書いたが、
ポスドクの募集に年齢制限等が加えられている現状では、
アカデミック・キャリアからの転進者の行き先としては、
有期契約だったり派遣だったりする
アカデミア周辺の研究支援者を考えざるを得ないのではないだろうか。