地獄のハイウェイ

科学・技術や趣味のことなど自由気ままに書き散らしています。

日本は科学技術で生き残れるのだろうか?

科学技術振興機構(JST)のJournal@rchive(ジャーナルアーカイブ)事業は
古い学協会誌のバックナンバーをネットで見る事ができて非常に有難い。

学生だった頃に影響を受けたものなどを見る事ができて本当に重宝するのだが、
当時強い印象を受けたものの一つに、
江藤肇「科学技術発展の数理モデルとその含意」(科学基礎論研究 Vol.17,No.2(1985)pp.65-71)
http://www.journalarchive.jst.go.jp/jnlpdf.php?cdjournal=kisoron1954&cdvol=17&noissue=2&startpage=65&lang=ja&from=jnltoc
という論文がある。
学術論文と言うより軽めのレヴューのような趣だし
また四半世紀前のものであり
あまり額面通りに受取らない方が良いのかなとも思うが、
その頃既に技術発展の両極化が論じられている。
末尾のところの

「理数科教育を福祉と考える文化を建設した国民か,一日一膳で貧困を楽しむ文化を全国に浸透させた国民だけが,現代を生き残るかと思われる。技術革新と精神文化を軽蔑し,基礎科学と消費に耽けるポーランド文化が,いま危機に面している事実は教訓的である。」

という文章を見て、その後の「ゆとり教育」のことを考えると慄然とする。