地獄のハイウェイ

科学・技術や趣味のことなど自由気ままに書き散らしています。

本当に難しいのは高齢ポスドク問題

アカデミックな世界であろうとショービズだろうとプロスポーツであろうと、
憧れてその世界に飛び込んだ全ての人達の夢が叶うわけではないことは、
誰だって頭では分かっているだろう。
実力や才能がなかったりあるいは運がなかったりしたら
その世界からどこかで足を洗わなければならないし、
夢を追うのを諦めた人間は
自分で生きていくために別の道を探さなくてはならないことも、
言われなくたって分かっている事だ。
そうは言っても、
才能や実力が不足しているとその人が納得している場合はまだしも、
運が悪いだけだと思っている人の転進は難しい。
それに加えて、
才能や実力については客観的な判断と主観的なそれが一致しないことも少なくない。
誤解を恐れずに言うなら、
自己評価が過大である人の方が過小である人よりも圧倒的に多いだろう。
少々過大な自己評価をしていようと、
そこそこ優秀でそこそこ実績を築くことができた場合には、
相当の年月を経て体力の衰えを感じる年齢になって気力が萎えてしまうとか、
あるいは技術革新などでより若い世代に敵わないと思うようにならないと
夢を追うことを諦めることは難しいだろう。
しかしそんな年齢になってしまうと別の道を探すことすら難しくなってしまう。
実はアカデミックな世界で言うところの高齢ポスドク問題がそれだ。
高齢ポスドクというのは今のところ35~40歳くらいの中年層が中心だが、
この年齢になってしまうと転進が本当に難しいことは、
会社勤めのエンジニアにも分かってもらえるだろう。


※2011年1月23日追記
この記事について書かれたツイッターの記事で
「この加害責任者は中曽根首相」といような意見を見掛けた。
しかしながら、中曽根康弘は1987年11月で退陣しているため
当時22歳の学部4年生でも現在は46歳になっている計算だ。
当時中高校生だった35~40歳くらいの高齢ポスドクの話には関係ないだろう。
事実誤認か誤記ではないかと思う。