地獄のハイウェイ

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日本のロボット技術は世界のトップじゃなかったの?

福島第1原発事故で放射線の線量が高い建屋内部を調べるために
アメリカ製のロボットが使われているというニュースを聞いて、
日本のロボット技術は世界のトップだったはずなのに何故アメリカ製?
という感想を持った人は少なくないのではないだろうか。

日本のロボット開発分野自体に色々と問題もあるのだろうが、
原発は十分安全だから、事故対策みたいなものに金を掛けるわけにはいかない」式の理由から
政府が原発事故対策ロボットの開発研究に十分な費用を投入していなかったために、
そのような分野が著しく立ち遅れていたという事情があるようだ。
特に国研などでは「原発の危険」を前提にした研究は冷遇されていたとも聞く。
もうしもそういった「原発事故」を前提とした研究が脚光を浴びてしまうと
原発は安全だ」という話で進めている原子力政策に差し障りがあるということらしい。

こういった危機を想像することすらタブーにするのは
負けたらどうなるかを考えられず戦争に突入した戦前からの伝統なのかもしれないが、
本当に困ったものだと思う。


※2011年4月24日追記
報道によると福島第1原発事故に日本製のレスキューロボット"Quince"が投入されるとのこと。
http://www.rm.is.tohoku.ac.jp/~tadokoro/110405FukushimaRobotQuince/
http://www.rm.is.tohoku.ac.jp/~tadokoro/110405FukushimaRobotQuince/110404Quince.pdf
開発チームにはNEDO新エネルギー・産業技術総合開発機構)の資金が入っているようだ。
(戦略先端ロボット要素技術開発プロジェクト)
NEDOは太陽エネルギーとかの非原子力系の新エネルギー技術開発がミッションの一つだし、
脱原発でも頑張って欲しいものだ。