地獄のハイウェイ

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The Article only?

報道されているようにSTAP事件の論文不正問題について
理研小保方晴子の不服申し立てに対して再調査をしないと決定した。
その報告書(http://www3.riken.jp/stap/j/t10document12.pdf)を見ると
故意の有無の問題や弁明の機会の有無などについて
明快な表現で小保方側の主張を退けていて
法律知識の中途半端な科学者ではなくて
弁護士である調査委員長が主導的に書いたのだろうなと思われる。
これで専門外の人間でも疑惑が判りやすかった
NatureのArticleの方については
研究不正があったと理研として公式に認定したことになり
どのような懲戒処分になるのかというのが
今後の話題の中心になるのだろう。

しかしながらこれで研究不正の疑惑の話を収めるわけにはいかない。
もう一つのNature論文(胎盤への分化能を主張したLetterの方)について
その内容の真正性を検証しなくても良いのか?
小保方側の公表した実験ノートの部分を見ると稚拙極まりなく
「小学生の観察日記か?」と揶揄されるようなものである上に
更に報告書内で次の如く指摘されている

75 ページには日付がなく、近傍のページで日付があるのは、73 ページ(「6/28」)、76 ページ(「2/29」もしくは「2/19」(いずれか判読不能))、81 ページ(「10月」)のみである(いずれも年の記載なし)。


スカスカの状態であることを考慮すると、
まともな実験が行われたのか極めて疑わしいと言わざるを得ない。

小保方のD論については理研の責任範囲外かもしれないが
このNatureのLetterの方は理研の責任範囲ではないか。
しかもコレスポが小保方とヴァカンティであったArtcleと異なり、
こちらは小保方、笹井と若山がコレスポではないか?
Letterの方は研究不正はなかったものとして
retractを勧告しないつもりなのか?
Articleの研究不正だけでも小保方の懲戒処分には十分だろうが、
Letterの方には問題がないとは、とてもではないが信用できない。
現状では理研の方にも後ろめたい点があるのではないかと
勘繰られても仕方あるまい。