地獄のハイウェイ

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西村玲さんの自死を巡る報道への違和感

4月10日付の朝日新聞の記事
「文系の博士課程「進むと破滅」ある女性研究者の自死」が発端になって
文系博士の就職難があれこれと取りざたされている。
若くして業績が表彰されていた西村玲さんの自死の理由が
「多くの大学に就職を断られ、追い詰められた末だった。」となっているが
自分なりにネットで調べた範囲だと
結婚された相手の問題(統合失調症)の方が大きかったようにも思われるが
部外者には事情はよく分からない。
ただ亡くなる前は(公財)中村元東方研究所の研究員にはなっておられたようだ。
当該財団の資料を見ると研究員には兼職について許可を得る規定があるので
雇用され給与が支給されていたと思われる。
http://www.toho.or.jp/pdf/info20190309160928.pdf
大学でのパーマネントポジションは得ておられていなかったが、
曲がりなりにも研究職を続けておられたようだ。
送迎バスの運転手とかそういう研究もできそうにない仕事ではない。
優秀な研究者が自ら死を選ぶことは痛ましい悲劇だが、
それを文系博士の就職難の問題に安易に結びつけることには違和感がある。