地獄のハイウェイ

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論文捏造だけか?

韓国のクローンES細胞偽造事件で火がついた科学における不正問題。
報道によれば文部科学省も看過できなくなって、
科研費に関する不正に対して罰則を設ける方向との事。
詳細は制度が実施されないと判らないが、
縦割り行政の常で、
恐らく経済産業省厚生労働省補助金で不正が発覚しても
科研費の応募資格停止とかは要求されないだろうし
逆に科研費がらみで不正が発覚しても
他省庁の補助金の応募資格は停止されないということになるだろう。

もう一つ懸念されるのは
論文でのデータの捏造・改竄などのあからさまな不正は
処罰の対象になるだろうが
それ以外のインチキ・不正は処罰の対象にならない可能性が高いこと。

ホットで競争の激しい分野では、
功を焦るあまりの不正が多いのだろうけれど
そうでないような分野では不正が無いのか?
学術的にホットでなくても国民生活に影響ある分野で
公的審議会などのでデタラメ発言を含むインチキ・不正があると疑って良いようだ。
参考になるのが津田敏秀「医学者は公害事件で何をしてきたのか」
http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/02/8/0221410.html
国が責任を問われるような事件では
論文審査の無い学内紀要とか調査報告書で
怪しげなデータが出現することあるようだという印象を持っている。
そういう不正も処罰の対象になるのだろうか?

所謂御用学者の捏造と純粋な科学分野における不正を
同列には扱ってほしくないというのが
多くのまともな科学者の感覚だと思うが
データを捏造・改竄するインチキという点では同じなのだから
行政的な対応は同等であるのがしかるべきだと思うが
そうならないだろうという悲観的な予測をしてしまう。